5年に1度の米国農業センサス発表、農場数は微減も大規模農場増加
(米国)
シカゴ発
2019年04月22日
米国農務省(USDA)は4月11日、2017年米国農業センサスを発表した。同センサスは1840年開始と約180年の歴史を持ち、現在は5年に1度実施されている。米国の農場(牧場を含む)に関する人口、経済状況、土地、経営活動などの実態について、各農場へのアンケートを基にまとめた包括的な農業統計だ。
今回、農場数全体の減少と小規模農場および大規模農場の増加、生産者の高齢化、女性生産者の増加といった特徴が見られた。
農場数は、前回調査の211万件から3.3%減の204万件だった。総農場面積は、前回調査から1.6%減の約3億6,431万ヘクタールだった一方、1農場当たりの平均面積は約178ヘクタールと約1.6%増加している。2,000エーカー(約800ヘクタール、1エーカー=約0.4ヘクタール)以上の大規模農場数は3.6%増の約8万5,000件、10エーカーから2,000エーカー未満の農場数は6.6%減の約168万4,000件、1エーカーから10エーカー未満の小規模農場数は22.2%増の約27万3,000件となっており、小規模と大規模農場に二極化する兆しが見えた。
作物別の農場数では、トウモロコシや小麦などの穀物類をはじめ、多くの分野で減少傾向にあるが、肉牛や養豚、大豆、甘藷(かんしょ)が前回調査に比べて増加している。
全生産者の平均年齢は57.5歳で、1.2歳上昇した。
女性生産者数は26.6%増の約123万人だったが、USDAによると、今回の調査では設問の変更により、1人だけでなく複数の生産者を報告する農場が増え、その多くが女性だったことが影響しているとした。
このほか、再生可能エネルギーの利用状況やオーガニック農産物の販売状況、農場の収入状況などの統計や、各種農畜産物の生産状況を示したマップなども公開されている。
(飯田桃子)
(米国)
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