生体認証による入国審査システムの試験運用開始

(シンガポール)

シンガポール発

2019年04月22日

シンガポール出入国管理庁(ICA)は4月15日、眼球の虹彩と顔の認証による非接触型入国審査システムの試験運用を4月8日から開始したと発表した。利用者が入国ゲートに設置された端末の前に立つと、虹彩と顔を認識して本人確認を行うもので、審査時にパスポートの掲示(スキャン)が不要となる。試験期間は6カ月。

試験運用するのは、シンガポール北西部トゥアスとマレーシアとの国境の出入国審査の一部自動入国レーンで、パスポート番号が「K」で始まる6歳以上のシンガポール国民が対象となる。これまでシンガポール国民と外国人居住者が入国する際は、自動化ゲートでパスポートのスキャンと親指の指紋確認で審査していた。今回のシステム導入により、審査時間の大幅な短縮が期待される。ICAは試験運用の結果を踏まえ、他の出入国審査所にも導入していく予定。

また、ICAは4月17日、出国スタンプの押印を22日から廃止することを発表した。これにより、出国審査時に有人レーンを利用しても出国スタンプは押印されなくなる。ICAは、バイオメトリクス(生体認証技術)を活用した効率化や、手続きの見直しによる出入国審査の合理化を進めている。

(南原将志)

(シンガポール)

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