中国にミュージカルブーム到来

(中国)

上海発

2019年04月01日

上海市では3月から12月末まで、「第1回上海国際ミュージカルフェスティバル」が開催されている。中国初のミュージカル専門のフェスティバルとなる。中国では、2002年に上海大劇院で上演された「悲惨世界」(レ・ミゼラブル)以降、「劇院魅影」(オペラ座の怪人)や作家・東野圭吾の原作による中国版ミュージカル「信」(手紙)など、ヒット作が年々増えており、ミュージカル人気が高まっている。

写真 上海の地下鉄駅構内にある第1回上海国際ミュージカルフェスティバルの宣伝広告(ジェトロ撮影)

上海の地下鉄駅構内にある第1回上海国際ミュージカルフェスティバルの宣伝広告(ジェトロ撮影)

中研普華産業研究センターの統計によると、2017年の中国のミュージカル興行収入は、前年比2倍の3億4,800万元(約57億720万円、1元=約16.4円)に達した。2018年1~8月の期間中、上海市にある45カ所の劇場で延べ351回の公演があり、鑑賞者数は延べ32万3,000人、興行収入は5,080万元を記録した(注)。

ミュージカル人気の高まりから、上海音楽学院の受験者も急増している。2019年の同学院の音楽芸術系受験者数は2,908人と過去最高を記録し、中でも音楽戯劇科は前年の232人から339人と46.1%増加した。バラエティー番組「声入人心」の大ヒットにより、ミュージカル人気にさらに火がついたことも背景の1つに挙げられる。「声入人心」は2018年11月から湖南衛星が制作・放送する全12回の番組だ。ミュージカル舞台公演型のリアリティーショー番組ということもあり、出演したミュージカル俳優の人気が上がり、ファンが急増しただけでなく、ミュージカル市場への関心がさらに高まっている。

(注)衢州市文化広電新聞出版局(2018年12月27日付)の発表に基づく。

(李雪菁、張俊俊)

(中国)

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