欧州バッテリー同盟、蓄電分野で革新的なスタートアップ10社を発表

(EU)

ブリュッセル発

2019年04月10日

欧州バッテリー同盟(EBA)とイノエナジー(KIC InnoEnergy SE、本社:オランダ・アイントホーフェン)は4月2日、欧州の蓄電分野で最も革新的なスタートアップ企業10社を発表した。

研究や起業も含め、欧州の持続可能なエネルギーに関するイノベーション活動を支援するイノエナジーは、2018年9月21日、EBAの活動の一環として、蓄電分野における優れた技術やビジネスモデルを持つスタートアップを選定するコンテストを開始した。最優秀企業には10万ユーロが贈られるほか、最優秀企業とその他の入選企業は、市場・製品分析、トレーニングなど、イノエナジーが提供する事業拡大のための支援が受けられるとしている。

220社の応募の中から、最優秀企業として、バットリオン(スイス・デューベンドルフ)と、インスタグリッド(ドイツ・シュツットガルト)の2社が選定された。バットリオンは、リチウムイオン電池の充電速度を上げるためのバッテリー構造を改善する技術を開発した。インスタグリッドは、建設産業などで利用される電動工具向けの持ち運び可能なバッテリーを提案した。通常の壁面コンセントと比較して軽量で耐水性と耐久性があり、異なる電圧にも対応が可能だという。

そのほか、入選した8社は以下のとおり:m-Bee(ドイツ・ミュンヘン)、アビロー(オーストリア・ビーダーマンスドルフ)、ワットアルプス(WATTALPS、フランス・グルノーブル)、スコーン・エナジー(Skoon Energy、オランダ・ロッテルダム)、トウェイス(TWAICE、ドイツ・ミュンヘン)、ボルトストレージ(ドイツ・ミュンヘン)、パワーボールト(英国・ロンドン)、ガイア・メンブレンス(Gaia Membranes、スイス・ビンディッシュ)。

イノエナジーは、このコンテストを通じて、「欧州のバッテリーバリューチェーンの競争力を高める可能性を秘めた企業を特定することができた」とコメントしている。

(大中登紀子)

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