第1回CINVE日本酒・焼酎コンテストがスペインで開催

(スペイン)

マドリード発

2019年04月23日

国際ワインコンクール(CINVE)の主催者であるInsocFerialは3月31日~4月3日、スペイン初の日本酒・焼酎のコンテストである「第1回CINVE日本酒・焼酎コンテスト」を西部カセレス(エストレマドゥーラ州)で開催した。

最高賞には大手百貨店での販売権

CINVEは2007年からスペイン各地で開催されている政府公認の国際酒類コンクールで、15回目の開催となった今回は日本酒・焼酎部門が新設された。ヘスス・ギラウ運営代表は「観光交流を通じて日本とスペインの関係は密接になっている。このコンクールがスペインにおける日本酒・焼酎の普及や販路拡大につながればと期待している」と述べた。

今回は50以上の蔵元から約200点の日本酒と焼酎が出品された。審査委員会には、ミシュラン3つ星レストラン「キケ・ダコスタ」のソムリエ、ホセ・アントニオ・ナバレテ氏、2014年スペインのベストソムリエとして選ばれたギジェルモ・クルス氏、マドリード唯一の日本酒バー「Shuwa酒和」のマネジャーで「唎酒師(ききさけし)」の笹山繭子氏、日本酒輸出協会の松崎晴雄会長、米国ロサンゼルスのサケ・スクール・オブ・アメリカのトシオ・ウエノ副社長といった著名人がそろった。

審査の結果、日本酒部門で宮城県塩釜市の佐浦の山田錦純米大吟醸「浦霞」が、焼酎部門では福島県只見町の焼酎製造販売会社ねっかの米焼酎「ねっか」が最高賞を受賞した(表1、表2参照)。授賞式は5月1日に行われ、最高賞を受賞した商品は百貨店最大手エル・コルテ・イングレスでの販売権も与えられる。

表1 日本酒部門受賞企業
表2 焼酎部門受賞企業

生ハムとも合う日本酒

最高賞を獲得した「浦霞」のインポーターでもある日本酒輸入商社サルビオーニ&アロマール(S&A)のパブロ・アロマール社長は「各国から審査員が参加するCINVEコンクールは、自社が扱う酒だけでなく、日本酒全体の認知度を上げる絶好の機会だ。日本酒はもっともっと露出を増やす必要がある」と語る。

スペインでは本格的な和食への関心が高まっているとはいえ、大多数の消費者にとって食の王道はスペイン料理だ。アロマール社長は、生ハムなどのスペイン食材とのマリアージュを切り口に日本酒人口を広げるべく、多くの中小蔵元をスペインに紹介している。

写真 審査会の様子(主催者提供)

審査会の様子(主催者提供)

(高文寧)

(スペイン)

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