2019年、2020年のGDP成長率をともに1.5%と予測

(オランダ)

アムステルダム発

2019年04月10日

オランダ経済政策分析局(CPB)は3月21日、2019年と2020年の経済見通しを発表し、両年ともGDP成長率は1.5%と、これまでの2%を超える高い成長から「標準的な」成長になると予測した(表参照)。

表 オランダの経済見通し

予測では、米国の貿易政策、ブレグジット(英国のEU離脱)、中国経済の減速などによる世界貿易の減速が、オランダ経済に影響を及ぼすと指摘。輸出とともに、設備投資、個人消費も減速するとしている。一方で、政府支出の増加は、個人消費などの減速を補い、経済成長に貢献するとしている。

労働市場は依然として逼迫しているが、これまで低下傾向にあった失業率は2020年にはわずかながら上昇に転じ、雇用のペースも減速する見込み。しかし、比較的低い水準の失業率と緩やかなインフレの下で賃金上昇は加速し、購買力が上昇するとみられる。

政府支出は、2019年と2020年には前年比2.4%増、2.3%増と、近年の約2倍のペースで拡大する見込みだが、防衛やインフラ関連分野での支出に関しては労働市場が逼迫していることなどの理由から、実行できない部分もあり得る、としている。財政黒字比率は、高い税収の伸びに伴い、2019年にGDP比1.2%、2020年には0.8%と、黒字を維持する見込み。

(高橋由篤)

(オランダ)

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