2018年度の自動車販売、乗用車、二輪車ともに1桁台の伸び

(インド)

ベンガルール発

2019年04月22日

インド自動車工業会(SIAM)は4月8日、2018年度(2018年4月~2019年3月)の自動車統計を発表した。これによると、乗用車販売台数〔スポーツ用多目的車(SUV)とバンを含む〕は、前年度比2.7%増の337万7,436台となり、例年に比べて伸び率は大きく鈍化したが、プラス成長は維持した。SIAMは乗用車の販売について、「自動車ローンを扱う金融機関の貸し渋り、自動車保険の負担増や燃料価格の高騰などさまざまな逆風があったものの、小型SUVを中心とした各メーカーによる新モデルの導入が乗用車の需要を後押しした結果だ」と分析した。

メーカー別では、首位のマルチ・スズキが172万9,826台で前年度比5.3%増となり、過半のシェア(51.2%)を確保。2位の現代(1.7%増の54万5,243台)や地場マヒンドラ&マヒンドラ(2.2%増の25万4,351台)もそれぞれ1桁台の伸びとなった。日系5社(スズキ、日産、ホンダ、トヨタ、いすゞ)の市場シェアは、合計で62.3%だった。

二輪車販売台数は、前年度比4.9%増の2,118万1,390台となり、前年度の14.8%増に比べ、伸び率が大きく鈍化した。燃料価格の高騰などを背景に都市部での需要が落ち込み、スクーターの販売台数は0.3%減(670万1,469台)と、13年ぶりにマイナス成長となった。一方、販売動向が農村部の需要に左右されることの多いオートバイは、モンスーン期の降雨量が平年を上回り農村経済が潤ったことに伴い、7.8%増と高い成長を維持した。

メーカー別の二輪車の販売台数は、首位のヒーローが761万2,775台(前年度比3.1%増)となり、市場シェアは前年度の36.6%から35.9%にやや低下した。続くホンダも、552万617台(4.4%減)で、シェアは28.6%から26.1%に低下した。日系4社(ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキ)の市場シェアは合計33.0%となった。

商用車(前年度比17.6%増の100万7,319台)および三輪車(10.3%増の70万1,011台)を含む2018年度の自動車総販売台数は、5.2%増の2,626万7,783台となった。今後の見通しについて、SIAMは「燃料価格の高騰などの懸念材料は今後も残り、短期間での需要回復は難しい」とし、「2019年度は、乗用車部門が3~5%増、二輪車は5~7%増の伸びにとどまる」との予想を示した。

なお、2019年3月単月の販売台数は、乗用車が前年度比3.0%減の29万1,806台、二輪車は17.3%減の144万663台、商用車は0.3%増の10万9,030台とそれぞれ伸び悩んだ。

(ディーパック・アナンド)

(インド)

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