自動車メーカーの2018年の北米投資発表額、前年比57%減

(米国、カナダ、メキシコ)

ニューヨーク発

2019年04月15日

自動車調査を専門とする米国の非営利団体センター・フォー・オートモーティブ・リサーチ(CAR)は4月9日、2018年の自動車メーカーによる北米(米国、カナダ、メキシコ)での投資に関するデータを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

CARが自動車メーカーの発表に基づき集計したもの。これによると、2018年の北米での投資発表件数は34件で、投資発表額は合計で約48億ドルとなった。発表件数は前年の63件より29件減少し、発表額は57%減少している。

うち米国の発表件数は30件弱で、投資発表額は37億ドル(78%)となった。発表件数は前年の50件より約20件減少し、発表額は64%減少した。目的別にみると、77.0%が生産施設の現代化、22.9%が研究開発施設、1.7%が配送センターへの投資だった。CARは北米での発表件数、発表額が減少した背景として、通商交渉に関連した不確実性や、ゼネラルモーターズ(GM)、フォードなどの企業での組織再編、新車販売台数の停滞傾向、専門家による2019年の先細り予測など、複数の要因を挙げている。

リーマン・ショック以降の2009年から2018年までの投資動向をみると、北米全体での投資発表額は合計約1,240億ドルで、うち米国が73.0%、メキシコが20.0%、カナダが7.0%を占めた。この期間におけるカナダを含む五大湖周辺への発表額は、全体の53%を占めた。今後、新興技術に伴う企業の開発生産体制が見直される中、投資先の地域割合や、投資目的の変化が注目される。

表 北米における自動車メーカー投資額トップ10(2018年発表ベース)

(大原典子)

(米国、カナダ、メキシコ)

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