ウルグアイ・ビジネスフォーラム開催で日本に魅力を発信

(ウルグアイ)

米州課

2019年03月06日

「日本ウルグアイ・ビジネスフォーラム」が3月4日、東京で開催された。主催者であるジェトロの石毛博行理事長は開会あいさつで、2月からウルグアイおよび日本で相互に牛肉輸出入が解禁されたことに触れ、2国間ビジネスのさらなる活性化への期待を述べた。

ウルグアイ側の講演ではエンソ・ベネッチ農牧水産相が、同国産の牛肉の対日輸出開始に期待を寄せる、と述べた上で、ウルグアイ産牛肉はトレーサビリティーにより安全管理されており、世界140カ国以上に輸出していることを紹介した。また、貿易投資促進機関ウルグアイXXIのアントニオ・カランブラ事務局長は、ドル決済が可能なことや、メキシコ、チリなど7カ国と自由貿易協定(FTA)を締結しているなどウルグアイ投資の優位性をアピールした。

写真 ウルグアイの農牧産業をPRするベネッチ農牧水産相(ジェトロ撮影)

ウルグアイの農牧産業をPRするベネッチ農牧水産相(ジェトロ撮影)

同国には現在、15社超の日系企業が進出している。業種は、医療機器、食品、自動車部品などさまざまで、国内11カ所のフリーゾーンの存在や地理的優位性を生かし、メルコスールの物流ハブとして活用されている。なお、他地域とメルコスール間の今後のFTA交渉に関し、今後、メルコスールがブロック単位で交渉するのか、あるいは各国が単独で交渉するのかに関心が寄せられている。これについて、アリエル・ベルガミーノ外務次官は、本フォーラムの中で、ブロック単位での交渉の重要性を強調した。

写真 メルコスールの通商交渉を述べるベルガミーノ外務次官(ジェトロ撮影)

メルコスールの通商交渉を述べるベルガミーノ外務次官(ジェトロ撮影)

このほか、フォーラムでは、進出日系企業から活動状況についての紹介もあった。タキロンシーアイは、2008年からプラスチック容器などに貼られているプリントフィルムの生産を行い、ほとんどを輸出に回している。主な輸出先は、ブラジル、アルゼンチン、それにオーストラリア、北米などだ。ウルグアイへの進出の際は、南米市場を攻略にするに当たり、主要供給先への立地の良さや、煩雑な税制などがなく、さらに原材料は一時的保税輸入制度を活用して関税0%で輸入できるなどのメリットを享受できることなどが決め手となった。一方、労働組合が強く、従業員の管理コスト、給与の面などで苦労もあることにも併せて言及した。

ウルグアイ発のIT企業の紹介もあった。日本に進出しているソフトウエア開発企業ジェネクサス・ジャパンのアプリケーションジェネレータ「ジェネクサス(GeneXus)」は、古いシステムの作り直しに有益で、「完成した直後から陳腐化が始まる」といわれるシステムのレガシー化(陳腐化)を避けることができる。既に、多くの日本の企業も採用しているとのことだ。

(辻本希世)

(ウルグアイ)

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