日本酒プロモーションイベント、にごり酒が人気に

(米国)

アトランタ発

2019年03月11日

米国マイアミにおける、ワインと食の祭典「サウスビーチ・ワイン&フード・フェスティバル2019」(SOBEWFF)が今回で18回目を迎えた。マイアミビーチに設営されたメイン会場のGrand Tasting Villageでは、120を超えるレストランや飲食業界関係者がブースを構え、来場者への試飲・試食提供や、有名シェフによる料理デモが行われた。これは、マイアミ市内で2月20~24日に開催されたもので、22日は飲食業界関係者限定、23日と24日は一般に公開され、3日間で計約2万4,000人が来場した。

ジェトロが日本酒の普及・認知向上を目的に出したブースでは、日本酒の試飲プロモーションを実施した。同ブースでは、SOBEWFFの主催者で、全米最大級の酒類ディストリビューターのサザン・グレーザーズ・ワイン・アンド・スピリッツがマイアミで取り扱っている日本酒3種(純米大吟醸、本醸造、にごり)の試飲提供を行い、日本酒のPRとともに、来場者の反応などをヒアリングした。

来場者の多くは、日本酒を「Japanese Sake」として一定程度認識しており、日本食やすしレストランで、これまでに日本酒を飲んだことのある人も多かった。3種類の飲み比べをした後の反応としては、「純米大吟醸が飲みやすく、口当たりも良く一番おいしい」という感想が多かった。一方で、来場者はこれまでに飲んだことがあり、好きな日本酒ないし3種類の中で最初に飲みたい日本酒として、にごり酒を選ぶことが顕著で、「にごり(Nigori)」という単語も来場者の間で浸透していた。来場者は、にごり酒の甘く、フルーティーな味わいを好んでおり、マイアミの南国の気候とも合っているという反応が多く見受けられた。加えて、「にごり酒は「ろ過されていない(unfiltered)」なので好き」といった声も多かった。厳密には、にごり酒も製造工程上、粗くろ過をされているが、マイアミの日本酒消費者の間では「Nigori」イコール「unfiltered」というイメージが定着し、それが好まれているようだ。

写真 SOBEWFF会場で人気を集める日本酒の試飲(ジェトロ撮影)

SOBEWFF会場で人気を集める日本酒の試飲(ジェトロ撮影)

試飲した一般消費者からは「3種類の日本酒いずれも早速、購入したい」として、マイアミで日本酒を購入できる小売店についての質問が寄せられた。今後のマイアミでの日本酒人気の広がりが期待される。

(石田励示)

(米国)

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