自動車販促補助金の条件変更、日系ブランドの多くが対象外に

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年03月04日

3月1日から開始されたロシア政府による自動車販売下支えのための補助金(2019年2月28日記事参照)について、日系企業が現地で生産する多くの乗用車が対象外となることが判明した。3月1日に経済紙「ベドモスチ」が報じた。

この補助金適用の条件として設定されていた小売価格の上限が、2018年の145万ルーブル(約246万5,000円、1ルーブル=約1.7円)から100万ルーブルに引き下げられたため。ロシアで現地組み立て・現地化が行われている乗用車のうち、ロシア地場大手アフトワズや韓国の現代、米フォードとロシア企業との合弁「フォード・ソラーズ」、ドイツのフォルクスワーゲンなど低価格セグメントの車種が補助金の対象に該当し、多くの日系ブランドが主力とする中価格セグメントは外れる見通し。

日系ブランドで該当する車種は日産のスポーツ用多目的車(SUV)「テラノ」、ダットサンブランド車などで、トヨタ「カムリ」「RAV4」、三菱自動車「アウトランダー」、日産「キャシュカイ」「エクストレイル」などは対象外となるとしている(注)。

産業商務省は今回の条件設定の変更について、「社会的に優先させる住民層と最も大衆的なセグメントに支援を集中させるため」と説明している。ロシアでは1月1日から付加価値税が18%から20%に引き上げられており、これに合わせ各社の自動車小売価格は上昇している。

(注)企業側の値下げなどで該当する車種が増える可能性もある。

(高橋淳)

(ロシア)

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