2018年第4四半期のGDP成長率は前期比0.2%、2018年通年で2.5%

(スイス)

ジュネーブ発

2019年03月15日

経済省経済事務局(SECO)は2月28日、スイスの2018年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。ここ2年弱の景気拡大後、第3四半期(7~9月)に前期比マイナス0.3%に転じたが、第4四半期に0.2%に戻し、2018年通年では2.5%となった(表参照)。

表 スイスの実質GDP成長率(前期比)

産業別にみると、第4四半期の経済成長を支えたのは製造業(前期比1.5%増)だ。化学、医薬品、時計、精密機械、食品工業が好調で、輸出も5.6%増だった。サービス業では、医療(0.9%増)やビジネス関連サービス(0.4%増)が前期比で成長したものの、国内需要の低迷により流通(0.6%減)、金融(0.8%減)がマイナス成長となった。サービス輸出も全体として2.6%減となった。

需要サイドでみると、個人消費が医療費の増加により微増(0.3%増)、建設投資はビル建設需要減により微減(0.4%減)となり、設備投資は1.1%減と落ち込んだ。国内需要の低迷を反映して、輸入は財・サービス合わせ0.5%減となった。

通年では2018年GDP成長率は2.5%となった。2014年の2.4%を最後に減速していた経済成長率が、同水準にまで回復したことになる。これは、特に2018年前半における外需に支えられた製造業や、商業部門以外の全般的な成長によるところが大きい。需要サイドでみると、貿易による外需刺激はあったものの、個人消費が購買力の低下に引きずられて伸びず、設備・建設投資も2017年よりは弱含みとなった。

(和田恭)

(スイス)

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