2019年タンザニア貿易展示会が開催、注目はICT産業

(タンザニア)

ヨハネスブルク発

2019年03月04日

タンザニアのダルエスサラームで2月22~24日、国際見本市「2019年タンザニア貿易展示会」が開催された。南アフリカ共和国、インド、サウジアラビアなど20カ国から民間企業100社が出展し、総勢7,000人が訪れた。

写真 国際見本市「2019年タンザニア貿易展示会」会場(ジェトロ撮影)

国際見本市「2019年タンザニア貿易展示会」会場(ジェトロ撮影)

出展企業の1つである携帯電話大手のティーゴ・ビジネスは、ジェトロのインタビューに対し、担当者が「アフリカのICT(情報通信技術)関連の投資では、小売業への在庫管理・決済システムの導入が目立つ。タンザニアでは、農業従事者が抱える電力・水道・通信インフラの未整備などの問題が解決できるICTソリューションを目指す」と答え、社会課題解決型のビジネスに注力する姿勢をみせた。また、主催した貿易開発局(TANTRADE)の担当者は「タンザニアのICT関連産業では、地場企業が育っておらず、海外企業の進出も少ない。日本など海外からの投資を求めている」と日本への期待を語った。

写真 ティーゴ・ビジネスの看板(ジェトロ撮影)

ティーゴ・ビジネスの看板(ジェトロ撮影)

タンザニアの人口は5,000万人を超えており、世界銀行による予測では2050年には1億4,000万人に達する。近年の実質GDP成長率は7.0%(2015年)、7.0%(2016年)、6.0%(2017年)と高成長を維持。ジェトロによる2018年度アフリカ進出日系企業実態調査では、電力・水処理・鉱山・物流関連のインフラ需要拡大、農業開発、人口増加に伴う内需の拡大などを理由に、今後の注目国の6位にランクインしている。同国では、ケニアの通信大手サファリコムが提供するモバイル決済サービス「エムペサ」も普及している。人間開発イノベーション基金(HDIF)が発表した「国際イノベーション指数」では、123位(2013年)から92位(2018年)に躍進し、急成長市場として期待されている。

(川崎大祐、築舘弘和)

(タンザニア)

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