三菱電機、チェコに電動車用モーター・インバーター製造新工場を建設

(チェコ)

プラハ発

2019年03月12日

三菱電機(本社:東京)は3月6日、チェコの自動車部品製造・販売拠点である三菱電機オートモティブ・チェコ(MEAC)に新工場を建設し、電動車両用モーター・インバーターの生産を開始すると発表した。

MEACは2000年に設立され、現在の出資比率は三菱電機90%、三菱電機ヨーロッパ(本社:オランダ)10%となっている。2019年1月現在の従業員数は423人で、中央ボヘミア州のスラニー市(首都プラハの北西25キロ)の工場において、オルタネーター、スターター、電動パワーステアリング(EPS)などの自動車電装品を生産している。製品納入先は、日産、スズキ、ホンダ、ジェイテクトなどの日系メーカーのほか、ダイムラー、ルノー、プジョー・シトロエン、フィアットクライスラー、オペル、現代・起亜などの欧州内外メーカーと幅広い。

電動車両用モーター・インバーター製造用新工場も、現在のMEAC敷地内に建設される。投資額は約12億円で、新工場の稼働は2020年4月が予定されている。

三菱電機は、新工場建設の目的について、近年、世界の自動車市場でハイブリッド車や電気自動車(EV)の普及が急加速している点を考慮し、欧州での需要拡大が見込まれる電動車両用モーター・インバーターの生産体制を強化する旨を決定したと説明している。今後も世界市場で需要拡大が見込まれる、自動車の電動化事業を強化する方針だ。

MEACの城山繁社長は、新工場の立地にチェコが選択された理由に関して、「オルタネーター、スターター、EPSといった既存事業の製品を長年生産してきたノウハウを、電動車両用モーター・インバーターにも活用できると考えた」と説明している。また、「チェコで長年培ってきたノウハウを最大限に活用し、欧州でますます高まる電動化製品の需要を確実に捉え、欧州事業の拡大を目指す」と、今後の抱負を語っている。

欧州自動車工業会(ACEA)によると、2018年にEUで登録されたEV(プラグイン・ハイブリッド車を含む)は30万1,847台で、前年比38.2%増となった。また、ハイブリッド車(プラグインタイプを除く)は57万8,620台で、35.6%増だった

(中川圭子)

(チェコ)

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