欧州委、ブレグジット協議延長に疑念示す

(EU、英国)

ブリュッセル発

2019年03月14日

欧州委員会のミシェル・バルニエ首席交渉官は3月13日の欧州議会・本会議で、前日の英国議会が「離脱協定案」を否決したことに言及、英国のEU離脱(ブレグジット)をめぐるEUとの協議の延長の是非について英国議会で審議されるだろうが、「延長の是非を問う前に、その理由をただしたい」と語り、協議延長の必要性に否定的な姿勢を見せた。

ノー・ディールに対するEUの危機感さらに高まる

バルニエ首席交渉官によると、EU側は合意のない離脱(ノー・ディール)を望んだことはなく、秩序ある離脱を前提に交渉を続けたが、英国とEUが合意した「離脱協定案」を英国議会が認めない現状から、望まないノー・ディールのリスクを受け入れざるを得ない深刻な状況にあるという。ノー・ディールの可能性を踏まえて、EUは楽観することなくリスクを覚悟し、EU側の関係者にはノー・ディールを前提に準備を進めるよう求めるほかにないとしている。

また、バルニエ首席交渉官は「合意した解決策(離脱協定案)がなければ、ノー・ディールが結論になってしまう」と強い危機感を示した。

(前田篤穂)

(EU、英国)

ビジネス短信 66f7c71c1be35812