パキスタンがFOODEXに初めてパビリオンを開設

(パキスタン)

アジア大洋州課

2019年03月06日

パキスタン貿易開発庁(TDAP)は、幕張メッセで開催されている「第44回FOODEX JAPAN 2019」(3月5~8日)に、初めてパキスタンパビリオンを設置した。パキスタンパビリオンには、日本初出展の企業を含むパキスタンの輸出企業8社が出展した。日本の財務省によれば、日本のパキスタンからの食料品の輸入額(2018年)は、前年比15.5%増の18億862万円と拡大傾向にある。

パキスタンからの食料品輸入額で最大のシェア(83.6%)を占める魚介類の輸出を手掛ける、マリタイム・シーフード外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのシャヒド・ラトール取締役は「2008年からエビ、タチウオを日本に輸出しており、売り上げは好調。今後はコウイカ、ヤリイカ、タコを輸出したい」と意気込む。

写真 FOODEXに初のパキスタンパビリオン(左のブースがマリタイム・シーフード)(ジェトロ撮影)

FOODEXに初のパキスタンパビリオン(左のブースがマリタイム・シーフード)(ジェトロ撮影)

2011年に日本への輸入が解禁されたパキスタン産マンゴーについては、2018年の輸入額は3,852万円、輸入数量は89トンだった。出展していた繊維大手マフムード・グループ傘下のルーミ・フード外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますのクワジャ・ムハマド・ジャウィド事業開発マネジャーは「2年前から日本へのマンゴーの輸出を始め、順調に販売が伸びている」とした。同社はパキスタン産マンゴーの検疫に必要な蒸熱処理(VHT)装置を自社で保有し、「今年は200トン、数年後には年間400~500トンを目指す」と抱負を語る。

写真 2年前から日本市場にマンゴー輸出を始めたルーミ・フード。左がジャウィド氏(ジェトロ撮影)

2年前から日本市場にマンゴー輸出を始めたルーミ・フード。左がジャウィド氏(ジェトロ撮影)

1974年創業の健康食品・化粧品メーカーの老舗、モハマド・ハシム・タジルスルマ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、初めてFOODEXに出展した。中東など40カ国に輸出しているが、今回は蜂蜜や、天然素材のダイエット食品をPRした。同社のモハマド・アミール・ハシミ取締役は「日本でディストリビューターを増やしたい」と期待する。

写真 モハマド・ハシム・タジルスルマのハシミ取締役(ジェトロ撮影)

モハマド・ハシム・タジルスルマのハシミ取締役(ジェトロ撮影)

パキスタン政府は日本市場への輸出拡大を要望

パキスタンでは深刻な貿易赤字が続き、輸出拡大がイムラン・カーン政権の最重要政策の1つになっている。日本・パキスタン間の貿易では、2018年の日本からパキスタンへの輸出が2,315億円であるのに対し、日本のパキスタンからの輸入は390億円と、日本の大幅な輸出超過になっている。2018年12月の第6回日本・パキスタン官民合同経済対話では、パキスタン側は日本市場への輸出拡大を要望していた(2018年12月14日記事参照)。

(北見創)

(パキスタン)

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