中国の酵素食品の業界基準、2019年7月1日から施行へ

(中国)

広州発

2019年03月11日

中国の工業情報化部は、「植物酵素」(QB/T 5323-2018)および「酵素産品分類導則」(QB/T 5324-2018)の2つの業界基準を制定し、2019年7月1日から施行する。

これらの基準は、技術指標、検査方法、マーク、包装、運送、保存に対して明確な条件を設けており、食品安全のために、人体に影響を与える可能性のある大腸菌等微生物に対しては菌数の制限を定めている。今のところ、製品への基準だけを設けているものの、将来的には製造工程もルール化していく考えを示している。

酵素食品は、2015年ごろの訪日観光ブームを契機に中国の消費者に広がり、その後、「健康」「美肌」「ダイエット」などの効果を持つ健康食品として中国で人気が高まってきた。2017年の消費量は2008年の12.5倍に急増し、売上金額も約21億4,000万元(約363億8,000万円、1元=約17円)に拡大したとの民間研究機関の調査結果も発表されている。

中国では、急成長する酵素食品市場を狙い、効果を過大に宣伝して販売するケースもみられる。このため、中国生物発酵産業協会酵素分会の周海龍副理事長兼秘書長は「業界基準の施行により、中国の酵素食品市場がさらにルールに基づいたものになる」と述べていた(「中国食品報網」2019年2月28日)。市場の規範化によって、消費者の一層の権益保護につながることが期待される。

(汪涵芷)

(中国)

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