ジェトロ、湖南省と河南省で高齢者産業交流会を開催

(中国)

武漢発

2019年03月29日

ジェトロは3月19日に湖南省長沙市、21日に河南省鄭州市で、「日中高齢者産業交流会」を開催した。両省での日中高齢者産業の企業交流会は初めてとなる。

両交流会には介護用品やサービス、人材育成などの分野の日系企業計14社が参加し、現地高齢者施設の見学会、日系企業と現地バイヤーや高齢者施設関係者との商談会などを開催した。来場者は計300人に上り、200件以上の商談が行われた。

湖南省での交流会の基調講演で、湖南省民政庁の楊薇副庁長は「世界で最も高齢化が進む日本で培われてきた高齢者介護の経験を、湖南省としても学んでいきたい」と述べた。河南省では、河南省民政庁の常東河元巡視員副庁長が「人口が1億人を超える河南省では、高齢者介護は大きな課題だ。高齢者産業の需要は今後もますます高まっていく」と話し、日系企業に投資を呼び掛けた。

参加した日系企業からは、「政府関係者を含め、多くの人が日本の高齢者介護のノウハウに高い関心を持っていることが分かった」「商談に具体的な目的意識を持って参加する人が多く、質の高い商談ができた」「沿岸部の大都市と比べると、高齢者産業市場はまだ成熟していないが、今後のビジネスチャンスを感じた」といったコメントが聞かれた。

湖南省人民政府の発表によると、2017年の同省の60歳以上の人口は約1,200万人に上り、全人口の18%に当たる。河南省人民政府の発表では、同様に60歳以上は約1,500万人で、全人口の15%を占める。両省での高齢者割合は増加傾向にあり、高齢者産業市場の拡大が見込まれることから、同市場に関わる日系企業のビジネスチャンスも拡大することが予想される。

写真 日中高齢者産業交流会(湖南省)での商談(ジェトロ撮影)

日中高齢者産業交流会(湖南省)での商談(ジェトロ撮影)

写真 河南省での高齢者介護施設見学会(ジェトロ撮影)

河南省での高齢者介護施設見学会(ジェトロ撮影)

(片小田廣大)

(中国)

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