オンライン学習のプラツィがイベロアメリカ圏の事業を拡大

(コロンビア)

ボゴタ発

2019年02月15日

オンライン学習サービスを提供するスタートアップのプラツィ(Platzi)は2月4日、2019年中にイベロアメリカ圏の事業を拡大する計画を発表した。具体的には、ブラジルでのサービス開始に向け、既にスペイン語で学べるポルトガル語基礎講座と、ポルトガル語で学べるスペイン語講座をオンライン上に開設した。欧州向けとしては、マドリードにオフィスを新設している。マドリード以外では、ボゴタ、メキシコ市、サンフランシスコに事務所を構える。

プラツィは、2013年にコロンビア人のフレディ・ベガ氏と、グアテマラ人のクリスティアン・バン・デル氏によって設立された。プログラミング、デザイン、マーケティング、ビジネス、オーディオ・ビジュアル制作に特化した講座を300コース以上提供しており、2015年に17万人だった受講生数は、現在100万人近くまで増えている。講師は大学教授やエンジニアなどだ。

写真 オンライン上での受講の様子(プラツィのプレスリリース資料より)

オンライン上での受講の様子(プラツィのプレスリリース資料より)

無償プログラムで教育格差に対応

OECDの「図表でみる教育2018年版」によると、コロンビアの24~34歳人口に占める高等教育修了率は、男女それぞれ24%と32%で、OECD平均(38%、50%)を大きく下回る。また、18~24歳人口のニートの割合は21.9%と、OECD平均の13.4%を8.5ポイント上回り、特に女性(35%)は平均より20ポイントも高い。ベガ氏は「プラツィは高等教育を受けられない人や、就業・起業意欲があっても必要な知識や技術が不足している人たちの受け皿になる」と語る(「ラ・レプブリカ」紙2月4日)。既にプラッツィは母子家庭の母親が1年間無料で受講できるプログラムを開講している。また同社は2016年、コロンビア情報技術・通信省によって、デジタル革命をリードするスタートアップ16社に選ばれた。2017年には、同省の起業家支援プログラムであるアップス・ドット・コー(Apps.Co)と提携して、同社の講座5コースを無料で受講できるサービスを始めるなど、社会課題の解決に積極的に取り組むスタートアップとして今後も注目される。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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