FRBは金融政策の現状維持を決定、利上げ継続が適切との記述を削除

(米国)

ニューヨーク発

2019年02月01日

米連邦準備制度理事会(FRB)は1月29~30日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、金融政策の現状維持を決定した。前回2018年12月のFOMCで引き上げられたフェデラル・ファンド(FF)金利の誘導目標は、2.25~2.50%に据え置かれた。今回の決定は全会一致だった。

さらなる緩やかな利上げが適切との記述を削除

FOMCは今回の声明で、米国経済全般の現状について、「労働市場が引き続き力強さを増し、底堅いペースで拡大を続けた」とし、前回の「力強い」から「底堅い」に下方修正した。また、先行きに関する記述を大きく見直し、「経済見通しに対するリスクはおおむね均衡」との見方や、さらなる幾分かの緩やかな利上げが適切とする記述を削除した。一方で、FOMCは「経済活動の持続的拡大、力強い労働市場環境、インフレ率がFOMCの目標である2%付近で推移するといった結果がもたらされる可能性が引き続き高い」とみているが、「世界経済・金融情勢の動向および抑制された物価上昇圧力を考慮すると、こうした結果を支えるためにどのようなFF金利の誘導目標の将来的な調整が適切であるかを決める際、辛抱強く(patient)なる」とした。

パウエル議長は、過去数カ月において、期待インフレ率が弱含むなど、力強いとされてきた米国経済の動向に逆行するシグナルが幾分みられるようになったことなどを受け、利上げを行う論拠が幾分弱まっていると指摘するとともに、将来の政策変更は辛抱強く、様子をみながら行うことが適切だとした。

また、今回は「金融政策の遂行とバランスシート正常化に関する声明」と題する文章を発表した。これによると、引き続き、FF金利の誘導目標変更が金融政策スタンスの主な調整手段としつつも、それだけで不十分な場合は「FOMCは、バランスシートの規模・構成の変更を含む、あらゆる手段を講じる用意がある」とした。パウエル議長は、従来の想定よりも早く、より大きな資産規模(の状態)でバランスシートの正常化を完了することを検討しており、今後の会合で計画をまとめると述べた。

英国投資銀行バークレイズ米国担当チーフエコノミストのマイケル・ゲーペン氏は、市場関係者は今後、「利上げ周期が終了し、バランスシート正常化の停止に向かう可能性が高い」と理解するだろうと指摘した(ブルームバーグ1月30日)。

(権田直)

(米国)

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