自動車の販売台数が20カ月ぶりに前年同月比増加に

(メキシコ)

メキシコ発

2019年02月14日

国立統計地理情報院(INEGI)の2月8日の発表によると、メキシコの2019年1月の自動車(大型バス・トラックを除く)販売台数は、前年同月比1.8%増の11万1,212台となり、20カ月ぶりに前年同月比で増加に転じた。ただし、2年前の2017年1月と比べると依然として9.8%下回っているため、本格的な回復とは言い難い。国内販売台数は2017年3月にピークに達し、過去12カ月累計で163万台を超えていた(図参照)。同年6月以降は19カ月連続で減少し、2019年1月はわずかに上向いたものの、過去12カ月を累計すると142万台の水準にとどまっている。

図 自動車(大型バス・トラック)販売台数の推移(過去12カ月の累計)

2019年1月の販売台数を企業別にみると、国内シェア1位の日産が前年同月比11.8%減と不振だったが、2位のゼネラルモーターズ(GM)が2.1倍と躍進し、全体を下支えしたかたちだ。3位のフォルクスワーゲン(VW、系列のアウディ、セアト、ポルシェを含む)は9.7%減と低迷している。日本企業では、トヨタが3.3%減、ホンダが17.1%減と振るわなかった一方、マツダは主力の「マツダ3」(日本名「アクセラ」)のモデルチェンジが奏功して8.3%増、スズキは前年の好調を維持して25.3%増、三菱自動車も11.9%増と明暗が分かれた。なおGMの販売急増は、2018年1月の販売台数が8,807台と例年に比べて極端に少なかった反動で、2019年1月(1万8,222台)の数字を2年前の2017年1月(1万8,410台)と比較すると、188台少ない水準だ。

国内生産と輸出は増加ペースを維持

INEGIによると、2019年1月の国内生産台数は前年同月比9.9%増の33万3,677台、輸出台数も4.9%増の24万2,299台となり、それぞれ増加を続けている。輸出は、主力の米国向けが6.9%増と堅調で、カナダ(8.1%増)、欧州(6.5%増)、アジア(81.3%増)向けも伸びた。一方、中南米はブラジル向けが3割減となったことが影響し、11.9%の減少となった。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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