2018年の新車登録台数は微減、新燃費測定基準が影響

(チェコ)

プラハ発

2019年02月04日

チェコ自動車輸入者連盟(SDA)によると、2018年の乗用車の新車登録台数は26万1,437台で、前年比3.7%減だった。減少の要因は、2018年9月1日以降、排ガス基準値の算出に際して、より走行に近い状態での試験方法(国際調和排ガス・燃費試験方法:WLTP)が新規登録車に義務付けられたことで、登録台数は8月に制度導入前の駆け込み登録により前年同月比31.3%増となった後、9月以降は4カ月連続で大幅に減少した(表1参照)。

表1 乗用車の新車登録台数(月別)

2019年の新車登録台数に関して、会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は、第1四半期は引き続きWLTPの影響を受けると予想される一方で、チェコのGDP成長率は鈍化するものの依然として堅調に経済成長するとみられることから、26万5,000台前後と予測している。

2018年の新車登録台数をメーカー・ブランド別にみると、トップはシュコダで全登録台数の32.2%を占めた(表2参照)。以下、フォルクスワーゲン(VW)、現代、ダチア、フォードが続く。

表2 メーカー・ブランド別の乗用車新車登録台数

日系メーカーの中では、トップのトヨタの新車登録台数は前年比17.8%増で、全体で9位だった。特に、ハイブリッド車では圧倒的な地位を誇り、全登録台数4,831台のうち3,156台(シェア65.3%)を占めた(表3参照)。

表3 メーカー・ブランド別ハイブリッド車新車登録台数

一方、日系で2位の日産の新車登録台数は前年比12.9%減だったが、電気自動車(EV)部門では前年より68台増の139台に達し、VWに次ぎ同部門で2位だった。EVの全登録台数は618台で、前年からほぼ倍増した(表4参照)。

表4 メーカー・ブランド別EV新車登録台数

チェコでは2016年11月以降、環境省がエコカー新車購入に対する助成金制度を実施しており、2018年11月には第3回募集が発表された。ただし、助成対象は依然として、地方自治体など公的機関に限られている。エコカーの定義は、EV、プラグイン・ハイブリッド車、ハイブリッド車、圧縮天然ガス(CNG)車で、EVに対する助成金が最も高く設定されている。

(中川圭子)

(チェコ)

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