2018年GDP成長率は1.9%に回復、非石油部門の存在感増す

(ナイジェリア)

ラゴス発

2019年02月27日

ナイジェリア国家統計局は2月12日、2018年のGDP成長率と資本流入の統計を発表した。2018年第4四半期の実質GDP成長率は2.4%で、通年では1.9%となり、2017年の0.8%から緩やかながらも着実に回復し、IMFや経済調査機関などの予想とおおむね一致する結果となった(添付資料参照)。

成長を牽引したのは情報通信部門(9.7%)で、増加著しい2億人近い人口を背景に携帯電話やインターネット市場の需要拡大が後押ししている。また、GDP構成比の大きな割合(25.1%)を占める農業部門の堅調な伸び(2.1%)や、2016年来マイナス成長だった製造業がプラス(2.1%)に転じたことも寄与した。

従来は鉱業(石油)がナイジェリア経済を左右する重要産業だったが、2018年は原油価格が高値をつけるには至らなかったことや国内生産量が伸び悩んだことを受け1.3%と、辛うじてプラス成長を維持するにとどまった。石油部門は外貨収入源の9割超を占めるが、原油価格や生産量など外部要因に左右されるリスクをはらむ。産業多角化を進め、同部門への依存からの脱却が至上命題の同国において、非石油部門の存在感が増してきた。

一方、ナイジェリアへの資本流入は2018年第4四半期が前期比25%減の21億4,008万ドルと、2018年第2四半期から3期連続の減少になった。2019年2月のナイジェリア大統領選挙を見据えて投資家が様子見に入り、短期的投資を控えた動きが引き続き影響しているとみられる。2019年における海外投資家の意欲増大のカギは、一連の選挙が確実に実施され、事後も円滑に政権運営がされることにあるだろう。

なお、2018年第3四半期に1年ぶりに発表された雇用統計は、今回発表されなかった。

(山村千晴)

(ナイジェリア)

ビジネス短信 953c0e718b3730a4