世界最大級の国際観光展がマドリードで開催、日本勢も注目

(スペイン)

マドリード発

2019年02月07日

世界最大級の国際観光展示会「フィトゥール(FITUR)2019」が1月23~27日、スペインのマドリードで開催された。

展示総面積は前年比3%増の6万7,495平方メートルで、世界165カ国・地域から1万487社の企業が計886の独自ブースを構え、さまざまなかたちで各地の観光資源をアピールした。また、期間中の5日間にわたりタクシーの全面ストが続いたが(2019年1月28日記事参照)、公共交通機関や配車アプリ、車両貸り上げ、自家用車などの代替手段により、移動に大きな影響は出ず、来場者数は前年を2,000人上回るおよそ25万3,000人となった。

写真 大画面が設置されたスペイン・アンダルシア州のパビリオン(ジェトロ撮影)

大画面が設置されたスペイン・アンダルシア州のパビリオン(ジェトロ撮影)

前回に続き日本政府観光局(JNTO)がジャパンパビリオンを構え、25の企業・地方自治体が参加した。自治体関連では、関西観光本部(注)、栃木県の日光市、山口県などが出展した。

JNTOの統計によると、2018年に日本を訪れた外国人旅行客数は、前年比8.7%増の3,119万2,000人で、統計が開始された1964年以来最多となった。うち、スペインからの来訪者は前年比19.1%増の11万8,900人と大きく増加した。背景としては、若者たちの間で自分たちと全く異なる独自の文化を持つ日本への関心が年々高まっていることに加え、2018年10月からイベリア航空直行便が週5便に増便されるなど、交通基盤の拡充がある。また、パッケージツアーの増加、企業の商談・研修旅行の増加傾向もみられている。

ジャパンパビリオンでは、各地の魅力が発信され、ビジネスにつながる商談も活発に行われた。パビリオン内に設営されたステージで和装デモンストレーションや書道実演など、日本文化の普及イベントも開催された。ジェトロもスペイン初の日本酒専門バル「Shuwa酒和」と連携し、日本酒と酒蔵ツーリズムをテーマとするセミナーを実施した。

また、会場では観光関連企業や各国・自治体の展示のほか、業界の現状や展望を議論する会議が開催された。市場が近年拡大しているセクシャル・マイノリティー(LGBT)に特化した観光促進やビジネス開発など新しいテーマも取り上げられた。

写真 ジャパンパビリオンでの和装デモンストレーション(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンでの和装デモンストレーション(ジェトロ撮影)

写真 ジャパンパビリオンでジェトロが主催した日本酒セミナー(ジェトロ撮影)

ジャパンパビリオンでジェトロが主催した日本酒セミナー(ジェトロ撮影)

(注)関西2府8県の自治体、経済団体、観光振興団体、民間事業者などが参画する観光振興を行う組織。

(高文寧)

(スペイン)

ビジネス短信 8f3ce9d615a17c95