ユニコーン企業のラピ、幅広いサービス提供で急成長

(コロンビア、ブラジル)

ボゴタ発

2019年02月07日

スタートアップ企業のラピ(Rappi、本社:ボゴタ)は1月18日、化粧品製造販売大手の英エイボン・プロダクツと提携し、ボゴタ、メデジン、サンパウロの3都市で宅配サービスを開始すると発表した。

顧客はラピのアプリを通じてエイボンの100種類以上の商品を購入し、2時間以内に受け取りが可能。エイボン・アンディーノのリカルド・イノホサ代表は、「今後、既存店舗での直接販売に加え、代理店の販売員らがラピを通じて販売することで、顧客の多様な需要に応えたい」と話している。コロンビアとブラジルでの試験サービスを経て、2019年前半にもブラジル国内の他都市やアルゼンチン、チリ、メキシコにもサービスを拡大し、南米市場の収益増加を目指す。

ラピは、2015年にスマートフォンのGPS機能を活用した買い物代行サービスを開始し、急成長している。購入できるモノやサービスは、レストランの料理、スーパーマーケットや薬局などの商品のほか、公共料金の支払い、ネイリストの派遣、さらには都市部における電動スクーターのシェアリングサービスなど幅広い。

2016年1月のメキシコ進出を皮切りに、ブラジル、アルゼンチン、チリ、ウルグアイ、ペルーの35都市に進出しており、現在コロンビアで120万人、ブラジルで100万人の利用者を有し、アプリのダウンロード数は1,300万に達している。2018年にも、フェイスブックやツイッターへの投資で知られるDSTグローバル、米ベンチャーキャピタル大手のセコイアキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツから総額2億ドルを調達し、コロンビアでは2社目となるユニコーン企業となった。

政府がスタートアップ支援に注力

商工観光省傘下組織の「インプルサ・コロンビア」は、(1)2025年までにイノベーション主導型経済国として南米3位以内、(2)2032年までに南米で最も競争力のある国の1つになる目標を掲げ、起業や技術改革を推進するためにさまざまなプログラムを通じて起業家支援を行っている。また、2018年12月28日に公布された金融法(法律第1943号)で、クリエーティブ産業における起業に対して、7年間の法人税免税が定められた。

(茗荷谷奏)

(コロンビア、ブラジル)

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