中南米進出日系企業調査、コロンビアの内需が回復し国内情勢に安心感

(コロンビア)

米州課

2019年02月13日

ジェトロが2月7日発表した「2018年度中南米進出日系企業実態調査」では、コロンビア進出日系企業の国内需要回復への期待が表れた。付加価値税(IVA)増税(2016年12月)により2017年は内需の伸びが鈍化したが、2018年には回復に向かった。

2018年の営業利益見込みが、前年に比べて「改善」と答えた比率から「悪化」と答えた比率を引いた数値(DI値)では、のプラス幅が前年の約4倍(10.0→38.9)となり、良好な業況感が示された。また、2018年の営業利益見込み(前年比)を「改善」と回答した割合も増加した(40.0%→55.6%)(図1参照)。

図1 前年と比べた2018年の営業利益見込み

進出日系企業は、2019年以降も内需拡大が継続すると見込んでいる。今後1~2年の事業展開の方向性では、「拡大」と回答した企業の割合は72.2%で、中南米地域で最も高かった(図2参照)。その理由としては、「現地市場での売上増加」を挙げた割合が100%だった。これは、日本人駐在数に関する設問にも表れており、今後、駐在員数を増加させると回答した割合は21.1%と、調査対象国中で最も高く、2位のメキシコ(11.7%)の約2倍だった。

図2 今後1~2年の事業展開の方向性

国内政治・社会情勢には安堵感

コロンビアの国内政治・社会情勢に関する進出日系企業の見方は、前回調査と比べて改善した(図3参照)。2018年8月に就任したイバン・ドゥケ大統領のゲリラ組織との対話政策の継続や、ビジネス寄りの政権公約などが安心感を与え、投資環境面のリスク面における「不安定な政治・社会情勢」は前回調査より大幅に改善した(53.3%→22.2%)。また、前回調査では同項目がリスク要因の1位だったが、今回調査では6位に下がるなど、進出日系企業の安堵(あんど)感がうかがえる。

図3 投資環境面のリスク:コロンビア(n=18)

(志賀大祐)

(コロンビア)

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