韓国銀行、2019年経済見通しで2.6%成長と予測

(韓国)

ソウル発

2019年02月05日

韓国銀行(中央銀行)が1月24日に発表した「2019年経済展望」によると、2019年の韓国の実質GDP成長率は、2018年の2.7%(速報値)より0.1ポイント低い2.6%になる見通しだ。詳細は以下のとおり(表参照)。

民間消費・設備投資・建設投資:2019年の民間消費は、政府の政策などにより緩やかな増加を維持するが、家計所得増加の鈍化などのため、増加率は前年と比べて落ち込む見込み。設備投資は、2019年下半期に世界の半導体の需要が回復し、IT製造業を中心に増加に転じる見込み。建設投資については、新規受注・着工の不振の影響などで引き続き減少するとみている。

雇用:2019年の就業者数は、政府の雇用・所得支援政策、外国人観光客数の増加などにより改善するものの、緩やかな回復になる見込み。製造業は自動車や半導体などIT関連業種の成長が鈍化し振るわないが、サービス業は政府の雇用支援の拡大などにより改善する見込み。これらによって2019年は全体で14万人増加し、失業率は3.8%となる見通し。

消費者物価:賃金上昇などがサービス価格の上昇要因になるが、需要サイドの物価上昇の圧力が大きくなく、原油価格が下落する見通しで、消費者物価上昇率は2018年の1.5%から2019年は1.4%に低下するとみている。

経常収支:経常収支は、黒字基調は維持するも、貿易収支を中心に黒字の規模は縮まる見込み。貿易収支は、国際的な原油価格の下落にもかかわらず、主力輸出品目の輸出環境の悪化により黒字は縮小するとみられる。また、サービス収支は、旅行および建設が改善されるが、運送は赤字が続く見込み。これらによって、経常収支は2018年の750億ドルから2019年は690億ドルの黒字になる見通し。

表 経済展望〔前年(同期)比〕

〔諸一(ジェ・イル)〕

(韓国)

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