2018年の自動車、生産減も輸出額は増加

(トルコ)

イスタンブール発

2019年02月20日

2018年にトルコで生産された自動車は、前年比8.6%減の155万150台(うち乗用車は10.2%減の102万6,461台)だった(表1参照)。完成車輸出は1.0%減の131万8,869台となり、生産、輸出ともに過去最高を記録した前年を下回った(表2参照)。この結果、生産に対する輸出車比率は前年の78.6%から85.1%に拡大した。

自動車生産は8.6%減

自動車工業協会(OSD)によると、2018年の自動車生産台数は、国内販売の冷え込みを主因に減少した。生産全体の66.2%を占める乗用車は10.2%減の102万6,461台、商用車は5.3%減の52万3,689台だった。なお、ホンダは2月19日、欧州での完成車生産を終了すると発表し、英国と同様にホンダ・トルコも2021年内に「シビック・セダン」の生産を終了する予定。

表1 部門別生産台数の推移

輸出台数も主要市場のEUで、2018年9月の新しい燃費測定基準への移行に伴う8月の駆け込み需要の反動により下半期に減少がみられ、全体で1.0%減、乗用車で5.0%減となった。

輸出をメーカー別にみると、トルコで完成車生産を行っている13社全体ではルノー、トファシュ(フィアットとトルコのコチ・グループとの合弁)、トヨタ、現代が前年を割り込んだ一方、首位のフォード・オトサンは10.7%増と堅調を維持している。前年に新型車を導入したトヨタは、前年の急増からわずかな減少に転じた。同じく前年に急増したホンダは、45.9%増と好調が続いている。

表2 完成車メーカー別自動車輸出台数の推移

なお、トルコの自動車関連(部品を含む)輸出額は表3のとおり。

表3 自動車関連(部品を含む)の輸出額の推移

トルコ輸出業者会議(TIM)によると、2018年のトルコからの輸出総額は前年比11.1%増の1,635億ドルで、19.3%を占め最大品目である自動車関連(部品を含む)が10.7%増の316億となった(表4参照)。自動車・同部品輸出を国・地域別でみると、EUが78.0%を占め、11.9%増だった。EU以外では、アルジェリア、エジプト、ロシア、モロッコへの増加額が大きい。日本向けも、小規模ながら23.7%増と好調だった。

表4 自動車・同部品の国・地域別輸出額

(中島敏博)

(トルコ)

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