2018年のスタートアップ開業数は資金調達の難しさから大幅に減少

(イスラエル)

テルアビブ発

2019年02月05日

イスラエル国内でのスタートアップ開業ペースが鈍化し、2018年は356社となった。2015年から4年連続で減少傾向が続いている。資金調達の総額は前年比17%増の64億7,400万ドルだった。

イスラエル・ベンチャーキャピタル(IVC)リサーチセンターによると、2012~2016年に年間1,000社を超えていたスタートアップ開業数は、2018年通年で356社となった(表1参照)。2002年の324社から増加傾向が続き、2014年に1,366社とピークを記録した後、減少に転じ、2017年以降は1,000社を下回っている。なお、最新データが発表されるタイミングで、数値は過去にさかのぼって改定されている。

表1 スタートアップの開業数の推移

2018年の減少要因についてIVCに照会したところ、シードラウンドおよび起業から間もないアーリーステージにおける資金調達が難しい状況にあるため、起業家が新しいスタートアップ立ち上げに対して慎重になっている、との見方が示された。

イスラエル・テック・ファンディング・レポート(2019年1月)によると、ハイテク分野における2018年の資金調達は623件で、総額は前年比17%増となる64億7,400万ドル、だった(表2参照)。

表2 ハイテク分野における資金調達の推移(イスラエル)

2016年まではアーリーステージでの資金調達件数が多かったが、2017年以降はアーリーステージと成熟段階(mature stage)の資金調達件数がほぼ同じ水準になりつつある。

(余田知弘)

(イスラエル)

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