2018年の乗用車販売は好調、電気自動車は3倍に

(オランダ)

アムステルダム発

2019年01月28日

オランダ自転車・自動車工業会(RAI)は1月1日、2018年の乗用車の新車販売台数を前年比7.1%増の44万3,812台と発表した。2017年に続いて40万台を超え、2年連続で前年を上回った(図参照)。また、2019年の販売台数については44万台と予想している。

図 乗用車新規登録台数の推移

販売台数をブランド別にみると、フォルクスワーゲン(VW)が前年比16.8%増の5万190台(シェア:11.3%)と、14年連続で1位となった(表1参照)。これに、ルノー(3万8,447台、8.7%)、オペル(3万6,419台、8.2%)、プジョー(3万1,688台、7.1%)が続いた。

表1 ブランド別の新車販売台数とシェア

車種別では、VW「ポロ」(1万4,585台、シェア:3.3%)、ルノー「クリオ」(1万2,001台、2.7%)、起亜「ピカント」(1万997台、2.5%)、フォード「フィエスタ」(1万850台、2.4%)、オペル「カール」(1万170台、2.3%)の順だった(表2参照)。

表2 2018年の新車販売台数上位10車種

日系ブランドの販売台数は前年比6.0%増の6万8,919台で、シェアは0.2ポイント低下して15.5%だった。三菱自動車は38.6%増、日産は23.2%増と大幅に伸びた(表3参照)。三菱自動車は「エクリプスクロス」「アウトランダー」、日産は電気自動車(EV)「リーフ」がそれぞれ販売台数を押し上げた。

表3 日系ブランド別の販売台数とシェア

さらにRAIは2019年1月4日、2018年のEVの販売台数を2万4,024台と発表した。2017年の7,964台の3倍、乗用車の新車販売台数(44万3,812台)全体の5.4%に相当する。車種別の販売上位は、テスラ「モデルS」(5,633台、前年比2.8倍)、「モデルX」(2,966台、2.4倍)、ジャガー「I-ペース」(3,495台、前年実績なし)、日産「リーフ」(3,369台、6.6倍)、VW「e-ゴルフ」(2,242台、2.4倍)となっている(表4参照)。

表4 主なEVの販売台数

人気車種の販売台数が伸びたほか、2019年の税制改正(注)を前に、比較的高額なEVを購入しようとする駆け込み需要もあったとみられる。2019年はEVの供給増加により、2万8,000台の販売を予測している。

(注)オランダでは、企業が乗用車を購入またはリースして従業員に支給する「カンパニーカー」制度が一般的だが、2018年にはEVの取得価格の4%が従業員の所得と見なされ、課税対象だった。2019年1月1日からは、取得価格の5万ユーロまで4%、5万ユーロを超える部分は22%の課税に改正された。ちなみに、EV以外の機種(ハイブリッドを含む)では2018年と同様、一律22%が課税対象となる。なお、カンパニーカーを持ち続ける限り、課税対象の金額が毎年、従業員の所得に加算される。

(高橋由篤)

(オランダ)

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