2018年の自動車生産は前年比微減、輸出は過去最高を更新

(メキシコ)

メキシコ発

2019年01月23日

国立統計地理情報院(INEGI)は1月10日、2018年通年の自動車(大型バス・トラックを除く)の生産・輸出・販売統計を発表した。輸出が前年比6.0%増の344万9,201台と過去最高を更新したものの、国内販売が7.1%減の142万1,458台と低迷したため、生産台数は0.6%減の390万8,139台と9年ぶりの減少となった(表1参照)。

表1 自動車生産・輸出・国内販売台数(大型バス・トラックを除く)

企業別に生産をみると、日産が前年比8.1%減と減少した一方、ゼネラルモーターズ(GM)が3.6%増と増加し、前年まで首位だった日産を8年ぶりに逆転した。好調だったのは起亜(現代車種も生産)で、前年比33.0%増の29万4,600台でフォードを抜いて国内5位となった。日系企業ではトヨタ(27.1%増)、マツダ(5.5%増)の生産が好調で、ホンダは6月末に発生したグアナファト州セラヤ工場の洪水被害により11月半ばまで同工場の生産が停止されていた影響で、前年比29.5%の大幅減となった(表2参照)。

表2 メキシコの企業別自動車(大型バス・トラック除く)生産台数

対米輸出は堅調

輸出では、対米輸出がSUVやピックアップトラックを中心に9.9%増と好調を維持し、輸出全体の伸びを牽引した(表3参照)。全輸出の74.4%が米国向けだ。中南米、欧州、アジアなどほぼ全ての仕向け地で大きく増加しているが、これには世界43カ国・地域に輸出しているVW系列のアウディの輸出台数が前年は公開されていなかったこと(表3では「その他」に分類)が影響しており、実際よりも過大な伸び率となっている。

表3 主要地域別自動車輸出(大型バス・トラックを除く、日産を除く)

企業別・仕向け地別輸出台数は添付資料を参照。GM、フォード、トヨタ、ホンダは北米向け輸出が9割以上だ。日産、起亜は米州域内が中心だが、北米に加え、中南米向けの輸出も多い。VW、マツダ、FCAの輸出は多角化されおり、欧州向けの輸出のウェイトも相対的に高い。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

ビジネス短信 ab5d531e02cd70a9