日系野菜工場が最優秀商品賞を受賞、規模さらに拡大へ

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年01月21日

ハバロフスク地方政府は1月9日、ハバロフスク市で日本のプラントエンジニアリング会社大手・日揮が運営する「JGCエバーグリーン」の温室栽培野菜が、「2018年ロシアの最も優れた商品100」に選ばれたと発表した。

コンクールは、地域間社会団体「品質問題アカデミー」が連邦技術規則・計測庁の協力を得て全国規模で毎年実施している。今回ハバロフスク地方から100選に入賞したのは、同社が栽培するナスだった。JGCエバーグリーンによると、受賞は2年連続で、前回はトマトとパプリカが受賞している。受賞について、新井一則・生産担当副社長(1月末に社長に就任予定)はジェトロのインタビュー(1月17日)に対し、「当社商品の品質が全ロシアで認められたことは喜ばしいこと。当社が目指す方向性と一致している。引き続き新品種の栽培に取り組みたい」とコメントしている。

写真 JGCエバーグリーンの新井一則副社長(ジェトロ撮影)

JGCエバーグリーンの新井一則副社長(ジェトロ撮影)

同社は2015年冬にハバロフスク市の優先的社会経済発展区域(TOR)で2.5ヘクタールの温室野菜栽培を開始。2017年末には第2期工事に着手、2018年末に完成し、栽培規模は5ヘクタールに拡大した。2022年までに第3期工事を実施し、最終的に10ヘクタールまで拡大させる予定。生産規模拡大で従業員数は当初の60人から2倍の120人まで増加している。現在はトマト(チェリートマトを含む)、キュウリ、パプリカ、ナス、葉物(ハーブ、青梗菜など10種類)を栽培。第3期工事で拡大する5ヘクタールでは日本品種のイチゴ栽培を予定しており、日本の種苗メーカーとの交渉を経て、現在はロシアで品種登録の手続きを行っている。販売先も市内3カ所の直営店のほか、有力小売店などへの販路開拓により、ハバロフスク地方に加え、ウラジオストクがある沿海地方まで拡大している。

写真 野菜工場。生産拡大で人材育成が急務だ(ジェトロ撮影)

野菜工場。生産拡大で人材育成が急務だ(ジェトロ撮影)

(高橋淳、加峯あゆみ)

(ロシア)

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