堅調な内需に支えられ7.8%成長を予測、2019年の経済見通し

(コートジボワール)

アビジャン発

2019年01月25日

コートジボワール政府は、2019年の実質GDP成長率を7.8%と予測した。インフレ抑制が進んで消費の増勢が強まることや、インフラ関連投資が進展することにより、民需を中心に内需が底堅さを維持する見通しだ。一方で、一次産品の国際市況によっては、下振れするリスクもある。2012年以降8~9%台の高成長が続いていたが、2016年秋以降のカカオ豆の市況低迷が影響し、2018年の実質GDP成長率は、年初予測の8.3%(2018年1月25日記事参照)を下回る7.7%となる見込み。中期見通しでは今後、伸び率は緩やかに減速するとみられている。

経済財務省の経済見通し(2018年10月)によると、需要項目別では、GDPの6割強を占める民間最終消費支出が7.4%増と予測(表参照)。インフレ率が低位安定して推移する中、雇用・所得環境の改善による購買力の上昇に押し上げられる見通しだ。政府最終消費支出は、財政健全化を図るため優先分野に重点を絞った効率的な支出により、1.9%の伸びにとどまる見込み。

表 主要経済指標

民間投資は19.9%と、8年連続で2桁の伸びが予測される。経済改革、インフラ支出の増加、企業向け支援策などがプラスに作用し、企業の投資マインドが一層改善するとみられる。公共投資の成長率予測は4.2%。2020年までに新興国入りを目指す「第2次国家開発計画」に関連した大型開発案件が、順次着工されている。政府は公共事業を拡大する方針で、2019年内に25億ドルの国債発行を計画している。

産業別では、第一次産業は5.1%成長の予測。市況が強含みに推移していることに加え、「国家農業投資計画」関連投資の拡大、生産性の向上により、食料や輸出用農産品の生産拡大が見込まれる。第二次産業は8.6%成長と予測。国内外の需要拡大、政府の奨励策や官民連携の強化による投資拡大、物流インフラの改善、大型公共事業の進展などにより、全ての部門で成長が見込まれている。第三次産業は10%成長の予測。特に運輸、観光部門では国内道路網や近隣諸国とのアクセスの改善、規制緩和により、需要の拡大が見込まれる。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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