香港の経済自由度、25年連続で世界首位

(香港)

香港発

2019年01月31日

米国の首都ワシントンに拠点を置くシンクタンクのヘリテージ財団が1月25日に発表した2019年版の「経済自由度指数(注)」によると、香港特別行政区(以下、香港)が25年連続で最も経済自由度の高い国・地域となった。

香港は2018年に引き続き90.2ポイントで、世界平均(60.8ポイント)を29.4ポイント上回った。香港は全12項目中、「財産権」「ビジネスの自由度」「政府支出」「税負担」「財政の健全性」「取引の自由」「投資の自由」「経済的自由」の8項目で90ポイント以上となった。ヘリテージ財団は香港について、「米中貿易摩擦によって、香港経済にもマイナスの影響が及ぶ可能性もあった」ものの、「世界で最も柔軟性のある経済であり続けた」と評価した。

日本は2018年に引き続き30位

2位のシンガポールは、前年比0.6ポイント増の89.4ポイントで、2018年と比べて香港との差は縮小した。3位はニュージーランドで84.4ポイント(0.2ポイント増)、4位はスイスで81.9ポイント(0.2ポイント増)、5位はオーストラリアで80.9ポイント(増減なし)となった。日本は72.1ポイント(0.2ポイント減)で、2018年に引き続き30位となり、アジア・太平洋地域の43カ国中8位だった。

香港政府の陳茂波(ポール・チャン)財政長官は同日、「ヘリテージ財団による評価は、長年にわたり自由市場原則を支持するという香港政府のコミットメントを再確認するものだ」と、財団の評価を歓迎する談話を発表した。加えて、陳財政長官は「自由市場の原則は、長年にわたり香港経済の基盤として機能してきた。香港政府は、良好なビジネス環境を構築し、経済成長を促進するため、法の支配という良き伝統を守り、低税率で簡素な税制を維持し、政府の効率性を改善し、開放的かつ自由な貿易制度を保護し、開放的な競争の場を構築していく」と述べ、今後も香港のビジネス環境上の優位性を堅持する考えを明らかにした。

(注)経済自由度指数は、ヘリテージ財団が186の国・地域の経済自由度について、全12項目にわたって調査し、算出した指数を基に、調査対象の国・地域をランキングしたもの。2019年版の経済自由度指数の詳細についてはヘリテージ財団のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる。

(吉田和仁)

(香港)

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