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安倍首相、ノー・ディール回避を強く要請

(英国、EU、日本)

ロンドン発

2019年01月11日

安倍晋三首相が1月10日、英国を訪問した。同日午後にテレーザ・メイ首相と会談し、英国のEU離脱(ブレグジット)や日英関係の強化について協議した。

安倍首相は首脳会談後の記者会見で、「日本にとって英国は、欧州市場へのゲートウエーであり、日本企業は1,000もの拠点を置き、15万人以上の雇用を生み出している」と述べ、日本経済にとっての英国の重要性を強調。英国への投資をさらに拡大し、英国とともに経済成長をしていきたい、と続けた。

安倍首相はその上で、「合意なき離脱(ノー・ディール)はぜひ回避してほしい」と要請し、「世界もそのことを強く期待している」と強調。さらに「移行期間を設け、英国に進出している企業の法的安定性を確保しようするメイ首相のEUとの間の離脱協定案を日本は全面的に支持する」と明言した。EU以外の国の首脳が、具体的内容に言及してブレグジット合意の支持を表明するのは異例。主要国首脳の発言では、米国のドナルド・トランプ大統領が2018年11月に英国とEUが合意した直後に「EUにとって優れた合意のようだ」とコメントし、英国政府に冷や水を浴びせている。

英国の主要紙電子版やテレビ局のニュースは、世界がノー・ディール回避を望んでいるとの安倍首相のコメントを大きく報じた。これに対して、メイ首相は会見での報道陣の取材に答える中で、「ノー・ディールを回避する唯一の方法は、合意を実現すること。われわれは実際に合意に至り、(議会に)提示されている」とコメントし、1月15日に予定されている議会採決での賛成を訴えた。

両首脳はブレグジットのほか、インド太平洋や北朝鮮問題などを含む安全保障協力の強化や、2月1日に発効する日EU経済連携協定(EPA)を土台とした野心的な日英経済関係の追求、米国を除く11カ国による環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTTP、いわゆるTPP11)への英国の参加意向、イノベーション分野での産業協力、2019年に日本で開催されるラグビー・ワールドカップや2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおける協力などで一致した。

安倍首相訪英の前日の1月9日、厚生労働省は牛海綿状脳症(BSE)問題を受けて1996年から禁止してきた英国からの牛肉、羊肉の輸入を解禁することを発表。メイ首相は会見でこれに言及し、今後5年間で1億2,000万ポンド(約165億6,000万円、1ポンド=約138円)の輸出を見込んでいることを明らかにした。

(宮崎拓)

(英国、EU、日本)

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