香港の銀行がAPI開放を始動、消費者の利便性向上に一役

(香港)

香港発

2019年01月29日

香港金融管理局(HKMA、中央銀行に相当)は1月、同月末までに香港の銀行20行が預金、貸し出し、外国為替、投資、保険などの商品・サービスにかかるAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)の開放を開始すると公表した。

APIとは、あるアプリケーションの機能や管理するデータなどを他のアプリから呼び出して利用するための接続仕様・仕組みを指す。APIを開放することによって、第三者のサービスプロバイダーが銀行の情報システムにアクセスできるようになる。銀行の商品・サービスの情報が同一のウェブサイトやアプリに集約されることで、消費者は各商品・サービスを容易に比較することが可能となる。

香港金融管理局は2017年9月、フィンテックなどの情報通信技術を活用した香港の銀行サービスのスマート化を推進するため、即時決済システムである「ファスター・ペイメント・システム(FPS)」の導入や銀行のAPI開放、仮想銀行の導入など7つの措置を策定・公表した。このうち、API開放に関しては表のとおり4段階に分けて実施することになっており、今回はAPI開放の完全実施に向けた第1段階の取り組みとなる。

表 API開放の完全実施に向けたタイムスケジュール

銀聯、香港初となるオープンAPIのプラットフォームの提供を開始

香港・マカオで銀行ATMのネットワークサービスを展開する銀聯通宝(銀通、JETCO)は1月14日、香港初のオープンAPIのプラットフォームとなる「JETCO APIX(APIX)」のサービスを開始すると発表した。APIXでAPIを提供する銀行は、東亜銀行、交通銀行(香港)、シティバンク、中国建設銀行(アジア)、創興銀行、中国CITIC銀行(国際)、永隆銀行、大新銀行、富邦銀行(香港)、中国工商技巧(ICBC)、華僑永亨銀行、大衆銀行(香港)、上海商業銀行の13行。1月14日時点で預金、外国為替、保険など250にわたるAPIの閲覧が可能となっている。

香港の各主要紙によれば、HSBCなどの銀行もAPI開放に向けて積極的に取り組む方針を示している。

(カン・カレン)

(香港)

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