欧州議会、離脱協定案承認に向けて英国政府に事態打開迫る

(EU、英国)

ブリュッセル発

2019年01月25日

欧州議会の英国のEU離脱(ブレグジット)問題対策グループ(BSG)は1月24日、ブレグジット問題をめぐる進捗状況について協議を行い、声明を発表して「今後数日のうちに英国政府の立場を明確にすること」を求めた。

これまでのEU側の主張をあらためて強調

今回の協議で、BSGはあらためて離脱協定案についての再交渉の可能性を否定した。特に、アイルランドと北アイルランドの国境問題をめぐる安全策(バックストップ)については、厳格な国境管理を回避するためには不可欠とするEU側の方針をあらためて確認。BSGはバックストップの発動を望むものではないが、「(全ての状況に対応するための保険的措置としての)バックストップを認めない場合、欧州議会は離脱協定を承認しない」との認識を明らかにした。

また、BSGはEUと英国の将来関係について、英国側が望むならば、欧州議会としてはより野心的な関係構築を進める用意があると指摘。これにより、より親密なEU・英国間の将来関係が築けるだけでなく、バックストップの発動回避にもつながるとし、英国側が早急に事態打開に向けた前向きで現実的な提案を行うことに期待感を示した。

英国議会が予定どおり1月29日に離脱協定案と政治宣言案の採決を実施した場合、欧州議会側は直ちにBSGを招集して協議を進め、1月30、31日には欧州議会としての審議に入るとしている。

(前田篤穂)

(EU、英国)

ビジネス短信 24af5c24fccb8854