自動車の国内市場、2018年も高水準を維持

(ドイツ)

デュッセルドルフ発

2019年01月18日

ドイツ自動車産業連合会(VDA)は1月4日、2018年の乗用車の新車登録台数について、343万5,800台だったと発表した(表1参照)。前年比で0.2%減となった。一方、VDAのベルンハルト・マッテス会長は、2018年9月から既存モデル車も含めた全ての新規登録車に新しい試験方法(WLTP)による排ガス基準値の算出が求められるなど、課題が山積する中(2018年9月20日付地域・分析レポート参照)、前年の高水準を維持したことに満足感を示した。2018年の輸出台数は399万500台、生産台数は511万8,800台でともに約9%減少した。

表1 ドイツ自動車市場の動向

新規登録数をブランド別にみると、フォルクスワーゲン(VW)は64万3,518台と前年比1.5%増加し、国内首位を維持した(表2参照)。メルセデス・ベンツは31万9,163台で2.2%減少した一方、BMWは26万5,051台で1.2%の増加を記録した。日系ブランドをみると、トヨタは8万3,930台、マツダは6万7,387台と前年比でそれぞれ3.5%、0.2%増加した。三菱自動車が5万803台で、17.1%の著しい伸びを見せ、日系ブランドの3位となった一方、日産は26.0%減で5万366台にとどまった。

表2 主要ブランド別乗用車新規登録台数(2018年)

新規登録数を燃料別にみると、ディーゼル車のシェアは32.3%にまで減少、ガソリン車のシェアが62.4%に拡大した(表3参照)。2015年のVWによる排ガス不正問題の発覚や、EUが定める窒素酸化物(NOx)の基準値が国内複数の都市で超過していることを受け、2018年5月以降、各都市で旧式ディーゼル車の走行を禁止する判決が出されており、消費者のディーゼル車離れが進んでいる。また、ハイブリッド車および電気自動車(EV)のシェアはそれぞれ3.8%、1.0%にとどまるものの、前年比ではそれぞれ53.8%、43.9%の増加を記録した。

表3 燃料別乗用車新車登録台数とシェアの推移

(ベアナデット・マイヤー、森悠介)

(ドイツ)

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