8閣僚が交代、うち2ポストは大統領が3度拒否し暫定状態に

(ルーマニア)

ブカレスト発

2019年01月24日

クラウス・ヨハニス大統領は1月7日、2018年11月19日から空席となっていた2つの閣僚ポストである、副首相兼地域開発・公共行政相にエウジェン・テオドロビッチ氏(公共財務相兼務)を、運輸相としてロバナ・プルンブ氏(欧州基金担当相兼務)を暫定的に任命する大統領令に署名した。しかし、この暫定措置は任命後45日間しか効力を持たない(法律90/2001)ため、2月には正式な大臣の就任が必要となる。

連立内閣の最大与党・社会民主党(PSD)は2018年11月19日、政府のプログラムと立法措置、政府組織などを決定する全国執行委員会(CEx)を開き、内閣改造の投票を行った。委員会の開催前に辞任していた国防相に加え、副首相兼地域開発・公共行政相、労働・社会公正相、経済相、運輸相、文化・ナショナルアイデンティティー相、コミュニケーション・情報社会相、青年・スポーツ相の8閣僚の交代が決定した。副首相兼地域開発・公共行政相だったポール・スタネスク氏をはじめとする、PSD内でリビウ・ドラグネア党首の即時辞任を求めるなど反旗を翻していた中心メンバーが内閣の主要ポストを退くこととなり、ドラグネア党首が一層強い権力を持つようになるとみられる。

ヨハニス大統領は翌20日、地域開発・公共行政相と運輸相を除く6閣僚の交代を命じる大統領令に署名したが、2閣僚については、ヨハニス大統領がビオリカ・ダンチラ首相率いる内閣が提示した2度の人事案を拒否した。理由として、「担当省庁の業務についての専門知識不足」「提出された候補者に関する書類が法律的な条件を満たしていない」ことなどを挙げている。これを受けて、ダンチラ首相は12月7日、ヨハニス大統領の決定を不服として憲法裁判所に上告した。さらに、大統領は1月17日には、内閣の3度目の人事案を拒否しており、2人の暫定大臣での内閣運営が続いている(表参照)。

表 ルーマニアのダンチラ内閣閣僚リスト(2019年1月15日現在)

(ミンドル・ユニアナ)

(ルーマニア)

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