シンガポール日本商工会議所、砂糖税含む甘味飲料の規制で意見書提出

(シンガポール)

シンガポール発

2019年01月31日

シンガポール日本商工会議所(JCCI)は1月23日付で、保健省が実施した砂糖税を含む甘味飲料の規制に向けた意見公募で、規制の再考を求める意見書を提出したことを明らかにした。保健省は2018年12月4日から、糖尿病対策の一環として砂糖含有量の多い飲料の摂取を規制する方法として、(1)糖分・栄養情報のラベルの義務化、(2)広告規制の強化、(3)飲料メーカー、輸入業者への物品税(砂糖税)課税、(4)糖分の高いパッケージ甘味飲料の全面禁止、の4案について意見を募集していた(2018年12月11日記事参照)。意見募集は1月25日に締め切られた。

JCCIは意見書の中で、シンガポールにおける糖尿病の深刻な状況を認識した上で、「砂糖などの摂取を減らすだけでは糖尿病のリスク低減には不十分であり、適切なエネルギーの消費と管理も必要だ」と述べた。砂糖税の導入と一部飲料の販売禁止について、「飲料業界に打撃を与えると同時に、シンガポール国内経済にも多大なインパクトを与える可能性がある」と指摘。さらに、商品への情報ラベルの義務化についても、シンガポールのみのパッケージ対応が求められ、「企業側の負担が大きくなる」とした。

JCCIは意見書で、「甘味飲料に対する一連の規制が導入されれば、それが前例となって他の食品や産業にも同様の規制が課される可能性がある」と懸念を示し、保健省に甘味飲料の規制導入について慎重に再考するよう求めた。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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