テスラ、10月の中国販売台数は7割減、関税引き上げなど響く

(中国)

上海発

2018年12月04日

中国の自動車業界団体の「乗用車市場信息聯席会(CPCA)」の発表によると、米国の電気自動車(EV)メーカー、テスラの第3四半期(7~9月)の中国における販売台数は、前年同期比37.0%減の3,169台に減少した。さらに直近の10月は前年同月比70.0%の大幅減となり、中国EV市場全体の75.0%増とは対照的だった。

販売低迷の原因は幾つかあるが、中国が7月から米国製自動車に課す関税を15%から40%に引き上げたことが大きく影響している。テスラは上海に生産拠点を設ける整備を進めているが、現時点の中国国内の販売は全て米国からの輸入となっている。

テスラは米国との価格差を縮小するため、11月22日から販売価格を最大25.9%値引きすると発表した(表参照)。同社は購入者の負担を減らすことで、販売低迷からの脱却を目指す。

表 中国のテスラEV販売単価

新興メーカーの乱立で競合激化

CPCAは、EVを含む中国市場の新エネルギー車(NEV)販売台数について、1~9月期は前年同期比60.0%増の62万5,000台に達したと発表した。また、2018年の販売台数は90万台を突破すると予想している。

世界のNEV市場の約半分を占める中国市場では、将来の成長性を見込み、参入企業が急増している。蔚来汽車(NIO)や小鵬汽車(Xpeng Motors)など中国の新興EVメーカーが乱立する一方、メルセデス・ベンツやBMWなど既存メーカーのNEVシフトも加速しているとみられる。また、消費者は販売価格やバッテリーで走れる航続距離、デザインのほか、メンテナンスなどのアフターサービスも重視する傾向にあり、テスラをはじめNEVメーカー間の競争はますます激しくなっている。

(劉元森)

(中国)

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