インドへの進出日系企業が着実に増加

(インド)

ニューデリー発

2018年12月26日

在インド日本大使館は12月18日、ジェトロ、大使館、インド各地の日本総領事館が共同で調査した「インド進出日系企業リスト(2018年10月現在)PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表した。これによると、日系企業数は前年比5.3%増(プラス72社)の1,441社、拠点数は5.5%増(プラス264拠点)の5,102カ所となった(図参照)。企業数、拠点数ともに着実に増加しており、日本企業によるインドへの関心の高さとビジネス拡大意欲がうかがえる。一方、企業再編による出資比率の減少により、集計対象から外れた企業もみられた。

図 インド進出日系企業数と拠点数

州別ではハリヤナ州が最多

州別の日系企業数をみると(表参照)、ハリヤナ州が前回に引き続き最多の393社、それにマハーラーシュトラ州243社、カルナータカ州224社、タミル・ナドゥ州201社、デリー準州162社と続く。前年調査と比べた増加数でも、ハリヤナ州は最多の24社で、インド進出日系企業全体(1,441社)の約3割を占めるまでに至った。同州は、マルチ・スズキをはじめとする自動車産業の集積に加え、デリーを中心とする大消費地に接する主要工業地域であり、デリー、グルガオンといった都市機能と相まって、日系企業が生産拠点を構えやすい環境にある。デリー近郊の新興都市グルガオンは、デリー国際空港までのアクセスが優れていることに加え、日本食レストランやスーパーマーケットも多く、駐在員の生活環境が他州に比べ格段に優れている。

表 州別の進出日系企業数推移

業種別では製造業が牽引

業種別にみると、製造業が49.7%と半数近くを占めた。内訳は、輸送用機械器具が最多の11.9%、これに化学工業が5.6%、金属製品が5.1%と続いた。インドに生産拠点を有すると回答した企業は475社で前年比6社増となった。製造業に次ぐ業種では、宿泊、飲食業を中心とするサービス業が20.0%、商社を中心とする卸・小売業が16.0%という結果だった。自動車関連業界を中心とした製造業が依然として大半を占める中、最近では、これまであまり注目されていなかった食品関連分野での進出も複数見られるなど、進出分野の多様化が期待される。

(廣田貴之)

(インド)

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