アルゼンチン、中国と30件の相互協力の覚書などを締結

(アルゼンチン、中国)

ブエノスアイレス発

2018年12月17日

アルゼンチンのブエノスアイレスで開催されたG20首脳会議後の12月2日、マウリシオ・マクリ大統領は中国の習近平国家主席と首脳会談を行った。両国は合計30件の覚書などを締結し、対中関係の緊密化を示すこととなった。5カ年計画「2019-2023年共同行動計画」として合意した覚書は、政治、通商、投資、インフラなど広範な分野におけるロードマップになる(添付資料参照)。

金融・財政面においては、中国との通貨スワップを90億ドルまで拡大することで合意。両国の経済担当の当局省の間でも、財政および金融面での新たな協力の可能性を探ることを目的にした覚書を締結した。

農産品では、2018年初から中国市場でのアルゼンチン産牛肉の全面解禁という実績がある。それに加え、輸出産品多様化の一環として、アルゼンチン・パタゴニア地域で育ったヤギ肉と羊肉の中国向け輸出が解禁となった。果物類では、アルゼンチン産サクランボも輸入が許可されることになった。

また、中小零細企業による電子商取引の利用促進を念頭に、電子商取引に関する協力覚書を締結。さらに、サービス取引に関する協力強化を図り、同分野での投資ビジネス環境を改善させるための覚書にも署名した。

マクリ大統領は、G20首脳会談期間中においても、中国を「脅威とは見ておらず、(関係強化に向けた)チャンスだと思っている」と発言するなど、中国との友好ムード維持に努めた。一方、アルゼンチンが経済的にも厳しい情勢にある中で、現政権に対して未来志向型の取り組みを行った中国の姿勢は、G20加盟国の中でも目立った。

(山木シルビア)

(アルゼンチン、中国)

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