ヒューマンリソシアがルーマニアIT人材の日本での就業を仲介

(ルーマニア)

ブカレスト発

2018年12月21日

日本の人材派遣大手のヒューマンリソシア(本社:東京・大阪)は11月19日、ルーマニアのブカレスト経済大学と、日本語教育および文化活動の相互交流と協力関係の推進を目的とする覚書を締結したと発表した。

それに先立ち、同社は11月15日に同大学内に開設した「日本研究センター」の開所式を行った。このセンターは、日本語教育の推進や日本での就職情報の提供を通じ、ルーマニア人学生の日本への関心を高めることを目的としている。センターのラルカ・ニコラエ氏は「日本の文化や歴史に関するイベントを月2回程度開催していく予定」という。同社はこうした取り組みなどを通じ、2021年3月期には同社が仲介し日本で就業するルーマニアのITエンジニアを1,000人規模にまで拡大することを目標としている。

さらに、ヒューマンリソシアは12月6日、ルーマニアの有力コンサルティング会社のワイズ・ファイナンス・ソリューション(以下、ワイズ)と覚書を交わした。ブカレストと近郊地域でITを専攻している人材のうち、日本に関心のある学生を広く募集し、卒業後に3年間程度の日本での就労機会を提供していく。ヒューマンリソシアは日本で就労する人材に対し、派遣前に日本の生活・文化の紹介や仕事に必要な日本語教育を実施するなど、スムーズな就労を支援するプログラムを組む。一方、ワイズはこのプロジェクト実現のため、応募者への事前教育やファイナンス、税務などのサポートなどを通じて、これらのIT人材を支援する。

ルーマニアのIT人材専門派遣会社ブレインスポッティングが公開する「IT&Cタレントマップ・ルーマニア2017-2018」によれば、2017年初頭のルーマニアのIT人材は中・東欧諸国で最大の11万人に上る。IT人材が最も多いのは首都ブカレストだが、クルージュ・ナポカ、ヤシ、ティミショアラといった地方の中核都市にも有力な工科大学があり、毎年多くのIT人材が輩出されている。今後、日本においてこれら高度IT人材をどのように活用していくか、ヒューマンリソシアの活動に期待が寄せられる。

(ミンドル・ユニアナ、水野桂輔)

(ルーマニア)

ビジネス短信 90d50d1f3825c96e