ジェトロ、経済ミッション派遣でダンチラ首相ら要人への表敬も

(ルーマニア)

ブカレスト発

2018年12月27日

ジェトロは11月26~29日、在ルーマニア日本大使館とルーマニアのビジネス環境・貿易・起業家精神省の協力の下、ルーマニア・ビジネス投資環境視察ミッションを主催した。製造業、IT企業、商社、金融など29社35人(うち日本からは5社)の日本企業関係者が参加した。

今回のミッションは、2018年1月の安倍晋三首相のルーマニア訪問(日本の首相として史上初)を受け、そのフォローアップとして実施した。4日間のプログラムの中、参加者は進出日系企業の工場視察(カルソニックカンセイ、矢崎ルーマニア)、プロイエシュティ市やコンスタンツァ市の訪問、現地ルーマニア企業とのネットワーキンやB2B商談会などを行った。

プログラム2日目の11月27日、ミッション団は首相府とビジネス環境・貿易・起業家精神省を訪問し、ビオリカ・ダンチラ首相、シュテファン・ラドゥ・オプレア大臣を表敬した。ダンチラ首相はルーマニアにおける21の新規PPP(官民連携事業)案件について触れ、「高速インフラや医療施設、農業、電力、観光などの分野におけるこれらのPPP案件は全て政府承認を受けている」として、日本からの投資を歓迎する意向を表明した。また、オプレア大臣との懇談に同席した投資促進機関インベスト・ルーマニアの担当者は「全国平均で4%台にまで失業率が低下し、労働力の確保が困難になる中、IT人材の所得税をゼロにするインセンティブや外国人材の活用などを実施している」と説明した。

これらに対して野田仁・駐ルーマニア大使は、2019年1~6月にルーマニアがEU理事会の議長国を務めることを祝福。ダンチラ首相表敬の場では、ミッションの前週に8人もの閣僚交代が突然発表されたことを受け、「外国企業の長期的な投資誘致の観点からも、ルーマニアの安定性・透明性・信頼性を求める」と要望した。

ミッションの参加者からは「今後の情報収集のための人脈形成ができた」「初めてのルーマニア訪問だったが、在ルーマニアの日系企業の動向を知ることができた」という声が上がった。今後の日・ルーマニア間の貿易投資促進がさらに期待される。

写真 ダンチラ首相と経済ミッション団との面談の様子(ジェトロ撮影)

ダンチラ首相と経済ミッション団との面談の様子(ジェトロ撮影)

(山本千菜美)

(ルーマニア)

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