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政府、炭素税引き上げ凍結を発表

(フランス)

パリ発

2018年12月05日

エドアール・フィリップ首相は12月4日、燃料価格の高騰、炭素税の引き上げに抗議して始まった「ジレ・ジョーヌ(黄色いベスト)」運動を通じて国民の「怒りのメッセージを受け取った」とし、過激化する抗議デモを鎮めるため、発端となった炭素税の引き上げ(注1)、2019年1月に予定していた電気・ガス料金の値上げ、軽油税とガソリン税の均一化措置を6カ月間凍結すると発表した。

またフィリップ首相は、政労使、市民慈善団体、環境保全団体、地方議員、国会議員など関係者との協議を通じ、エネルギー移行に向けた効率的で公平な政策の策定を行うことを公約した。さらに「税と歳出」をテーマにした協議を12月15日から2019年3月1日まで各地で開催し、税負担軽減に向けた公共サービスの効率化などについて、国民に広く意見を聞く方針を示した。

これに対し、ジレ・ジョーヌ側からは「われわれが求めるのは炭素税引き上げの凍結ではなく廃止だ」「給与や年金など購買力引き上げに関する政策がない」「問題の先送りにすぎない」といった反発が多く出ており、抗議デモを継続する姿勢を崩していない。

抗議デモの継続・長期化の影響が経済全体に広がる可能性が強まっている。フランスで最大の経営者団体、フランス企業運動(MEDEF)のジョフロワ・ルードベジュー会長は12月4日、抗議デモの影響が企業活動に及ぶことで、雇用にも打撃を与える恐れがあると指摘。政府に対し、ジレ・ジョーヌ参加者のうち現実的な要求をするグループとの協議のほか、炭素税引き上げの一時的な凍結、政府の財政負担による最低賃金の引き上げ(注2)などを求めていた。

(注1)炭素税引き上げによって2019年1月に軽油が1リットル当たり0.065ユーロ、ガソリンは0.029ユーロ値上がりすることが2019年政府予算法案に盛り込まれていた。

(注2)フランスの法定最低賃金は実質賃金上昇率に連動して毎年1月1日に改定される。MEDEFのルードベジュー会長は2019年1月に「1.7~1.8%上昇する」と予測。給与所得者への購買力支援として、政府の財源負担(社会保険料軽減など)によりこれ以上の引き上げが必要との見方を示した。一方、フィリップ首相は11月28日、政府は最低賃金の上昇分に上乗せしない意向を表明していた。

(山崎あき)

(フランス)

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