中国のジョイビオ、チリサーモン養殖大手の買収で合意

(チリ)

サンティアゴ発

2018年12月12日

中国のレジェンドホールディングス(Legend Holdings Corporation)傘下のジョイビオ(Joyvio Group)は11月19日、チリのアウストラリス・シーフード(Australis seafoods)買収に関し合意に至ったと発表した。買収額は8億8,000万ドル。チリにおける初の中国企業によるサーモン企業の大型買収となる。チリの漁業情報誌「アクア」によると、アウストラリス・シーフードは2017年にチリで4位のサーモン輸出企業になった。同年のチリサーモン輸出相手国は1位が米国(シェア26.8%)、2位が日本(23.1%)で、中国は5位(5.3%)となっている。

再編進むサーモン業界

チリサーモン業界では買収・再編が進んでおり、8月には鶏肉、豚肉などを手掛けるチリ総合食品会社アグロスーパー(AGROSUPER)がサーモン養殖のアクアチレ(AQUACHILE)の株式を67%取得したと発表した(額は5億7,000万ドルで株式公開買い付けを同時に発表。100%取得となると総額8億5,000万ドル規模の買収案件となる)。アグロスーパーは1989年、サーモン養殖事業を行うロスフィヨルド(Los Fiordos)を設立、株式取得は同社を通じて行われている。これにより、セルマック(Cermaq Chile)を抜いてチリ1位のサーモン輸出企業となる。

(中山泰弘、岡戸美澪)

(チリ)

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