治安対策により殺人事件被害者は過去10年間で40%超減少

(コロンビア)

ボゴタ発

2018年12月19日

コロンビア国防省の発表によると、2018年1月から10月までの殺人事件被害者数は人口10万人当たり21.2人と、2008年比で41.6%減少し、過去10年で最も低いレベルで推移していることが明らかになった(図1参照)。また、誘拐件数やテロ発生件数に関しても減少傾向にあり、政府による治安改善の取り組みの結果が表れてきている(図2、3参照)。

図1 殺人事件件数と被害者数の推移
図2 誘拐件数
図3 テロ発生件数

コロンビアではこれまで、国境付近や山岳地帯などが、コロンビア革命軍(FARC)や国民解放軍(ELN)など反政府武装勢力の活動地域になっており、治安当局との衝突が発生してきた。しかし、2002年に就任したアルバロ・ウリベ大統領による徹底した掃討作戦によって次第に弱体化し、就任期間(2002~2010年)で誘拐件数は10分の1になり、殺人件数は約半減した。フアン・マヌエル・サントス前大統領の就任初期の2011年と2012年は、やや増加したものの、2013年以降は減少が続いている。

2016年11月に政府とFARCが和平合意に署名してから、2年が経過した。2018年11月15~16日に西部の都市ペレイラで開催された、第2回和平合意の進捗評価国際会合において、違法作物から代替作物への転換、元戦闘員の社会復帰などの課題は残ると指摘されたが、武装解除、元戦闘員の政治参加、地雷除去、法整備などについては進捗がみられると評価された。また、OECDが11月21日に発表した世界経済見通しでは、ポストコンフリクト(紛争後の取り組み)により、観光分野で大きな商機が生まれると予測しており、治安改善による経済効果への期待は大きい。イバン・ドゥケ大統領は、FARCとの和平合意を見直すと宣言しているが、和平そのものを否定する姿勢ではなく、合意を推進していく考えだ。

日本の外務省が危険レベルを引き下げ

日本の外務省は12月7日、海外安全情報を更新外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますし、コロンビアの一部地域について危険レベルを引き下げた。国内2位の取扱量を誇るブエナベントゥーラ港がある太平洋岸沿いのブエナベントゥーラ市について、治安当局の対策の結果、港湾施設を中心に一定の治安改善がみられるとして、レベル3(渡航中止勧告)からレベル2(不要不急の渡航自粛)へ引き下げられた。また、3番目に人口が多い西部のカリ市についても、一定の治安水準が確保されているとして、一部地域を除いて、レベル2からレベル1(十分注意)へと引き下げられた。

(茗荷谷奏)

(コロンビア)

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