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アンダルシア州選挙、極右政党ボクスが予想外の躍進

(スペイン)

マドリード発

2018年12月06日

スペインでアンダルシア州議会(109議席)選挙が12月2日に実施された。その結果、州与党が後退し、第5党に浮上した極右新興政党の躍進が目立った。投票率は58.7%で、前回より3.7ポイント低下した。

社会労働党(PSOE)の支部政党で、州政権与党のアンダルシア社会労働党(PSOE-A)は第1党を維持したが、議席を大幅に減らし33議席(14減)となった(表参照)。急進左派のポデモス系(17議席)と合わせても議会過半数の55議席に至らず、左派だけの連立の可能性はなくなった。

表 アンダルシア州議会選挙の結果(109議席)

これに対し、右派は第2党で最大野党の民衆党(PP)が26議席(7減)と不振だった一方、市民党(C’s)が議席を倍増させ21議席(12増)となった。ただし、最も注目されたのは第5党に急浮上した極右新興政党のボクス(VOX)で、事前の世論調査の予想を大幅に上回る12議席を獲得した。これら右派3党の議席を合わせると、議会過半数を超える。

「PSOEの牙城」といわれる同州で、右派が左派を上回ったのは今回が初めて。左派2党は極右政党VOXの躍進に強い警戒感を示したものの、中道右派のPPとC’sは政権交代に前向きな姿勢をみせており、右派連立が実現すれば、36年にわたり州政権を維持してきたPSOEが初めて下野することになる。

12月3日付の「エル・パイス」紙は今回の結果について、「保守層が拡大している」と指摘し、VOXの躍進は、農村部も含めたPP支持層の取り込みや棄権層の掘り起こしに成功したことが背景にある、としている。「エル・ムンド」紙は「長期政権や汚職への嫌気だけでなく、カタルーニャ独立派勢力と組んで(中央政府の)政権の座に着いた、サンチェスPSOE政権に対する批判の表れ」と分析する。

VOXは、スペイン前首相のラホイ体制に反発する元PP党員により、2013年末に結党された。2大政党制への失望と強いスペインの実現を目指し、汚職反対、自治州制反対(中央集権化)、妊娠中絶反対を掲げる自称「中道右派」政党だ。その後、反イスラム、カタルーニャ独立運動とEU機構への批判も打ち出し、急速に支持を伸ばす中で、極右ポピュリスト政党と見なされるようになった。

次回の総選挙にも影響か

ペドロ・サンチェス首相は12月3日朝、ツイッターを通じて「州選挙の結果(極右政党の議席獲得)を受け、恐怖に対抗して、憲法と民主主義を擁護していく必要性を一層強く認識した」と発言した。他方、現地メディアでは、2019年に前倒しがささやかれる次回の総選挙について、今回のアンダルシア州選挙でのPSOEの敗北とVOXの躍進が影響を及ぼす、との論調が目立った。

(伊藤裕規子)

(スペイン)

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