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EU離脱通知は一方的に取り消し可能、CJEU法務官が意見書

(EU、英国)

ブリュッセル発

2018年12月05日

EU司法裁判所(CJEU)は12月4日、EUからの離脱の意図を通知した加盟国は、他の加盟国の同意なく一方的にその通知を取り消せるとする法務官の意見書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公表した。この意見書は、スコットランドの裁判所が英国のEU離脱(ブレグジット)に関して、離脱通知の一方的な取り消しの可能性とその条件について、CJEUの裁定を求めていたのを受けたもの。今後発表されるCJEUの裁定に対する拘束力はないが、法的な見地から解決策を提案するものとなる。

離脱の乱用防止にも配慮

今回の意見書では、離脱協定の締結前であれば、離脱通知を行った加盟国が自国の憲法にのっとって欧州理事会(EU首脳会議)に公式に通知することにより、離脱通知を一方的に取り消せるとした。ただし、信義誠実の原則と誠実な協力を尊重し、EU離脱を規定するEU基本条約50条の乱用を防ぐべきだと述べた。

この意見書は、国際協定からの離脱は協定参加国の単独行為、かつ、当該国の主権の発露であることから、離脱の取り消しも同じく主権の発露であり得ると指摘。離脱通知を一方的に取り消せる根拠として、EU基本条約50条が離脱協定の妥結を離脱の前提条件とはしていないこと、加盟国が離脱の決定(decision)ではなく意図(intention)を通知するよう規定していることなどを挙げた。

欧州委員会とEU理事会(閣僚理事会)は、通知の取り消しには欧州理事会の全会一致の合意が必要と主張していた。CJEUの法務官は、欧州理事会の合意が必要となれば、EU離脱とその取り消しが離脱を通知した加盟国の管理・主権・憲法の外に置かれることとなると指摘し、主張を退けた。

また、英国政府は、同国政府と議会が離脱通知の取り消しの意図を示していない以上、仮想・理論上の争点にすぎないとしてCJEUの裁定に付託しないよう主張していた。しかし、CJEUの法務官は「明確な現実的な重要性があり、係争の解決に欠かすことができない」として、英国政府の主張を退けた。

(村岡有)

(EU、英国)

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